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物書きをしてゆきたいカワスミが、日々考えたことをストックするためのブログです。

「女向けのTwitterにはわざと漢字を減らす」~選挙フォーラム2014で起きた女性蔑視発言について

 だいぶ遅くなりましたが、ここ最近もっとも書かねばと思っていたことなので、しっかり書きます。2014年7月22日(火)、平日の10時から20時半まで、JA共催ビルカンファレンスホールというところで開かれた「ネット選挙フォーラム2014」というイベントに参加してきました。事務局は「株式会社ジェイコス(勝つ!政治家.com)」さんという会社でした。ドットコム…。それは置いておくとして、この日付はネット選挙解禁から丸一年ということで設定されたようでした。登壇者の顔ぶれも豪華でした。

 

 イベントを知ったきっかけは、民主党に所属されている知人がfacebookで拡散していらしたからです。一日じゅう、基本無料で聞けるイベントだったのですが、有料プログラムが2コマあって、こちらはiPhoneからPeatixというアプリを使ってチケットを取った。便利ではありましたが、計4000円のチケット代、facebookでシェアすると3600円になる割引システムがあるので、それはシェアしますよね…という。ちなみに2コマ分買いましたが、どちらの電子チケットにも事務局の方から「今回はどうぞよろしくお願いいたします。」という旨のまるまる「コピペde挨拶!」なメッセージが来て、私そういうのへの返信はマメにすることを一応モットーにしているので、どちらにも「とても楽しみにしております、どうぞよろしくお願いいたします。」みたいな感じでまあ返したけど、なんかPeatixって2枚ダブって買う顧客のことまったく見えないシステムなのかな…そのへんもまあ対応として非常にビックリしてはいました。

 

 で、フタを開けると朝からずっとニコ生で中継していて、最終的には数万人という人たちが見ていたらしい。それはいいことだと思う。…けど、普通有料プログラムを客に無断で中継するのはどうなのかな。そこが企業として非常に疑問に思う。なんか、ニコ生するならわざわざ永田町まで行かなくても家で見てればよくね?ってなっちゃうし(私は喋ってる人を生で見たいから行くけれども)、なんかそこらへんの考え方が個人的にはさっぱり理解できません。

 

 …ここまでは、前置きです。本題に入ります。問題になったのは、15:40~16:50の無料プログラム「有権者を引き込むネット選挙とは?~ネットでバズるコンテンツと空気感~」。登壇者は、「連続起業家(原文ママ)」家入一真氏、音喜多俊氏 東京都議会議員、他登壇者交渉中、とありまして結局3人目は株式会社ジェイコスの高畑卓氏でした。モデレーターは選挙プランナーの松田馨氏。

 

 家入氏は都知事選での活躍も記憶に新しく、インターネッ党などについて賛否が分かれるところも大きいですが、それなりにやはり「ネットの人」として非常にネットを隅々までわかっていらっしゃると考えているので、楽しみに聞きに行ったプログラムでした。

 

 けれども家入氏は終始、少々挙動不審に見えました。ニコ生では登壇後すぐに「統合失調症」との酷いテロップもあったのを明確に覚えています(私はこの症例に関する方々への差別意識があるわけではありませんが、事実としてあえて書きます)。恐らくユニークな一面がある方でもあり、その日のTwitterでお見受けできたように少々元気がなかったのだろうけれども(あ、最後はちゃんと個人的にご挨拶させていただきました、素敵な方だと感じました)、やはり引き出し方によって魅力のある話というのは聞ける方なのです。ずっと黙っているのにボソッと、核心をついたことを言う。こういう方の場合は、もうちょっと司会者が沈黙を待って話を振らないと面白く話が掘れていかない。日曜のテレビだったら、ずっとダジャレを言いまくりたいキクちゃんばっかり指してて、腹黒円楽の風刺キメてきた回答への挙手を全部スルーする歌丸師匠みたいなもんです。まあ笑点大喜利にはちゃんと作家がついててあの素晴らしいクオリティなのはみなさんご存知のことですが、この顔ぶれで、だいたいここまで話そうという台本的なものがあったのか…恐らくあまりそういう地図的なものはなくて、もうその場で喋っちゃえ!アドリブで行っちゃえ!みたいなのがあったのではないかと。非常にツルツルと滑るトークセッションだなと感じました。その点、次のワクの津田大介氏と荻上チキ氏の話は、有料でもあるしちゃんと聞いたもんはしっかり持って帰らせよう!という気概を感じさせていただけるものだった。

 

 私は特に家入氏のファンではないしそこまで思い入れは実はない。けれども今回都知事選において果たした役割はそれなりに大きく評価すべきものだと個人的には感じています。彼の使った「ぼくらの~」的な手法を、ずばりTwitterハッシュタグ「ぼくらの中野」を作ることで、6月の中野区長選で個人的にリスペクトの念を持って取り入れさせていただきました。これを作った時点では現職区長に反対する二つの陣営で「それ、いいですね!やりましょう!」というようなやり取りがあり、有意義だったように感じています。このハッシュタグで一番に気をつけたことは、「誰を支持する!」と有権者があえて書かない中立性で、それが全ての方に守っていただけてとてもよかった。私にはWeb制作のスキルが足らないのでTwitterで盛り上げる程度のことしかできませんでしたが…「ぼくらの」という言葉には賛否両論またあることも承知していましたが、選挙の論戦だけでは拾えない意見を拾うことができました。一本化できなかったと批判されがちな区長選においてTwitterではある意味少しだけ役割を果たせたと考えています。しかもちゃんとTwitter上で家入氏は「ぼくらの中野」の存在を「お気に入りに入れる」という形で拾ってくださっていたので、少しだけお墨付きの感じで活動できて、とても感謝しています。…で、家入氏、インターネット上にはとても根強いファンをお持ちの方ではあるんですが、私はそこまでめちゃくちゃファンなわけでも、ない。ここまで書いてたらファンか。まあどっちでもいいです。いずれにせよ、家入氏ここまで出てきて、しかも「炎上のプロ」みたいな題名付けられてこの仕事ふられてきて、まあこの扱いはちょっと酷いんじゃないかな…と思いました。全体的に音喜多氏が喜んではしゃいだ感じでたくさん明るく喋りまくる、自分のネットにおける戦法をぶっちゃけアピールする、それを高畑氏がノッて盛り上げる、というような空気でした。

 

 問題の箇所を、今、一週間が経ちましたができる限り文字起こしします。敬称略。

 

(前略)

高畑:今回の都知事選で一番リツイート数が多かったのが、家入さんの、ホームレスに事務所を開設するという呼びかけだった。他の陣営は全部発信のみだった。

松田:(大雪の影響で)「凍死者が出るかも?」という局面で「事務所を開放します!」というのは2500RTされ、一番バズった。それがどのぐらい投票行動に影響したのかは別だが…。面白いことや怒りや、良いことというのは人はシェアしやすい。

高畑:家入さんはそれを作戦でやったわけではないが、事象が面白かった。ネガティブなことは伝播力が大きい。日本人はTwitterも匿名だし、ツッコむほうがやりやすい。賞賛や肯定をするのは難しい。Facebookは実名だからそちらのほうが多いが。

音喜多:怒り(の伝播について)は、狙ってやるが、政治家がやらなきゃいけないことはあくまでも欠陥を改善できる点を挙げること。怒りばかりの有権者にアプローチをし、改善策を提案することが、ネットにおける政治家の役割だと思う。情報公開が大事、例えばオカネの話は(有権者に)見えない。

松田:選挙期間中何しているか情報公開というのも、コンテンツとしてはあまり面白くない。だが、家入さんは最初から都選管の話なんかを(Twitterで)「ダダもれ」させていた。

家入:意外に紙3枚ぐらいで立候補できる。「意外に出れちゃう」というのは面白いし、知ってほしい。僕はツイキャスだけずっとやろうと思っていた。政治のことはわかんないけど、ひとつひとつ勉強する(自分の)さまを、みんなと共有したかった。

松田:20~30代の人たちは、選挙カーはうるさいし、政治家って悪い人ばかりって思っている。

家入:(都知事選で)対談をして、「あー、人間なんだなあー」と思った。「政治家=悪人」のイメージだったけど、意外と悪人はいない。

松田:オカネ持ってる人もそんなにいない。(笑)

家入:バズらせたい側とバズらせられる側がある。ノッてくれる人たちがいるからバズれる。…(少し考えて)バズらせる人と、のっかる人。バズらせる人はのっかる人側でも、ある。(筆者注:非常に哲学的な切り込み方と語り口。ここをもっと掘ってほしかったとも思います。今、多くの人がメディアにおいて考えていることでしょうから)

 

音喜多:Twitterにはインフルエンサーになる方がある程度いて。自分は「この人にリツイートしてほしい!」という記事は、その人を狙って時間帯を考えてブログを書いたりしているんです(笑)。

高畑:すごい感覚的にそれをやってますよね。

松田:アメリカでは(特にオバマ以降有権者に)カスタマイズしたメッセージを送っている。日本ではネット上でも(選挙カーのように)騒音だらけ。

高畑:一日何回も投稿すると(有権者は)離れていく。どのタイミングでどの投稿をするかが大切。テクニカルな話をするとですね、TwitterでもFacebookでもインサイトが見られるわけです。フォロワーが何歳ぐらいで、何時頃見てるか。ここで言葉遣いがポイントになります。例えば、女性のフォロワーが多かったら漢字を減らす、とかの工夫をするわけです(笑)。家入さんの「ぼくらの」って言葉はセンスがあるなと思います。

音喜多:僕は「絶対バズらない投稿」はしないですね。

松田:何回も連投すると、活動している雰囲気が出て、一生懸命活動しているみたいで(一見)いいですけど。

音喜多:例えば僕はニュースの引用っていうのを積極的にしていて、ニュースに一言(筆者注:恐らく非公式RTで)コメントつけてつぶやく。地域情報を引っぱってくるんです。例えば、世田谷ニュースとか。引用をして、「戸締まり用心!」とか書いちゃう。

松田:発信しなきゃいけないマインドで発信してる政治家って少ないのかなと思いますね。

音喜多:党で、身内をほめる発言はバズらないし、悪い影響しかないです。マイナスになりますね、ネットで。

 

家入:ネットは対話だと思っている。普段声聞けない人の声が聞ける。みんな「声を上げてもいいんだ」と思う。「選挙行ってもいいかな」って思う。「これについてみなさんどう思いますか?ご意見ください」と書けばいい。リプライが来てリツイートされる。地域外や県外でも関係なく、声を上げたくなる。リアルとネットを分けない。

音喜多:ネットは新しい場所、新しい事務所だと思う。

高畑:SNSのアドバイスとして、年配の方はできるだけ本人にやらせるようにしている。僕が代わりにやっちゃうと(筆者注:選挙コンサルとして)違法になっちゃいますから(笑)。毎日Twitterする努力が必要、一日15分だけでいいんです。スマホにはり付くのは政治家の仕事じゃないから。難しければ、文字起こししてくれる人、自分の考えを書いてくれる人を見つければよい。

音喜多:(政治家のTwitterは現状)自分の写真や、「更新しなきゃ」という(街宣告知などの)二大コンテンツばかりで(読者に)リーチしていない。僕が若手の政治家志望のコにアドバイスするのは、リプライを全部に返すなと。政策に生かすことが対話になる。もしかしたら誤解してるコがいるのかなー?なんて。ネットが怖くてやめちゃう中堅の議員さんもいる。

松田:ネット解禁で恐怖を覚えるのか、それとも(果敢にアタックしていける)無名の新人か、人間は見ちゃう。

音喜多:(ネットをやっていて)そんなに悪い人ばかりではないんですよね。

松田:無視する力、スルー力が必要。

家入:僕は(Twitterの)ブロックはしないけれど、スルーはバランス感覚。人格否定から議論まで多種多様なリプライが来る。何をスルーするか、感情を排してどう返すか。「バカ!」「クソ!」と罵っちゃうと大変だから。プロレスは、見る人がいるから盛り上がるのであって、(その炎上を)意図的にやってる人はいて、そのスキルがある人はいる。(何も考えずに炎上させると)焼け野原しか残らない。

 

(中略・終わり方は一番下に書きます)

 

 …というような話でした。セッション中から「これは問題だ!」と感じ高畑氏の発言をツイートしたところ、新聞社の記者の方のアカウントをはじめ、数名の方からのリツイートやリプライなど私に反応があった。このコマの終了後、(時間的に押しているのは雰囲気でわかりましたので、できるだけ邪魔しないタイミングで)すぐさま挙手して、壇上の方々に「女性蔑視の発言に訂正を求めます」と訴えたところ、高畑氏は私をなでつけるような手の動作をして「時間がないので、あとで個人的に話しましょう」と言いました。「私のTwitterで炎上少し、していますよ、今弁明しなくて大丈夫ですか?」と早口で尋ねても、無言で押さえつけられました。参加者には女性も多かったし、何よりニコ生の視聴者も多かった。皆の前で舞台上で説明することが筋だと考えます。

 

 この時点でさらに追及すべきでしたが、そのような状況でしたし、次のコマに準備されていた津田氏と荻上氏の話を楽しみにして来ていたので、その時点では高畑氏とお話しする時間はありませんでした。直後、Twitterで謝罪を求めたところ、津田氏たちのセッション中に私個人へリプライで謝罪が来たため、「そういう問題ではありません」と返しました。当然のことです。これによって津田氏の話にうまく集中できなかった。私は女性差別は人権問題だと考えるため、全ての女性に説明が必要だからです。

 

 家入氏は、私が非常に残念に感じている旨のツイートを、わざわざお気に入りにしてくださったので、すぐに家入氏に終わった後会いに行きご挨拶させていただきました。もちろん「一緒だと思われたくない」というのはあるのかもしれませんし、恐らく私が家入氏の手法を取り入れさせていただいたことも覚えてくださっていたのかもしれません。

 

 すぐさま思ったのですが、恐らくこのシーンで最も「一緒だと思われたくない」のは音喜多氏だと私は考えます。なぜ、セクハラヤジ事件、あれだけバズらせて、マスメディアに追わせて(という経緯をご本人も壇上で話されていました)、その姿勢を持ってして高畑氏の発言を笑顔でスルーできるのでしょうか。何より問題は、セクハラヤジ事件は安倍政権に批判や不安が上がる中、あえて言うと、非常に「バズりやすかった」。個人的には、ショックを受けて数日間寝込みました。その割にみんなの党としてはヤジを発した議員を辞職まで追いつめる姿勢が足らないと感じています。結局、都民また国民ぜんたい(特に女性)を怒らせて、大問題にして炎上させて何がしたかったのか。ただ「バズらせたい」だけの安直な姿勢が透けて見えるのではないでしょうか。

 

 また、この件があった後、荻上チキ氏が壇上でノートパソコンを見ながら「差別意識があるとポロッと口に出してしまう」というようなことを発言されていたのを私は覚えています。追ってくださっていたとしたら非常にありがたいことだなと思いますし、なかなかそのようなタイムリーな話題が出る場面でもありませんでした。

 

 「ネット炎上」をテーマにしたセミナーで「炎上」してしまう。それも、主催者であり、「選挙コンサル」や「政治家のTwitterへのアドバイス」をやっているよ、と話している方が。勝つ!政治家ドットコムですし。ちなみに高畑氏のTwitterはこの日、フォロー数が50程度、フォロワー数が30程度でしたが、フォローしているのは誰もが知っている有名人(孫氏など)をのぞけば、地方議員のようでした。これは、彼がコンサルしている相手であると誰でも邪推が可能です。私はそこまで見ますし、大多数のネット民は炎上すればもちろんそれを見ます。コンサルとして、そういうワキの甘さがある方が炎上すると、何が起こるでしょうか。客先のコンサルされている政治家への有権者の不信感、クレームです。私個人としては、それはコンサル業としてはあってはならないことだと強く考えます。また、勝つ!政治家ドットコムのTwitterアカウントのフォロワー数はこの日約900ぐらいでした。

 

 津田氏たちの話が終わったあと、ロビーで高畑氏に個人的に呼び止められ、「申し訳ありませんでした」を繰り返し発していただきました。しかしながら、この発言が会としての公式なものだとされるのは非常にまずいことだと考えます。テレビでも、生中継で不適切な発言があった場合、CM明けに必ずアナウンサーが喋りますよね。それは、会場を押さえていて時間が押しているから…という問題ではないと考えます。高畑氏自身が、後のセッションの方々が舞台からハケる間に20秒登壇し、マイクで一言添えればよいことです。なぜ、Twitterだけの説明で適切だと考えているのか。当初は「会としても公式サイトで必ず説明をします」と私におっしゃっていましたが、結局彼個人のTwitterで謝罪が行われただけです。非常に残念に思います。

 

 この後、非常に会として、またイベントとしての姿勢が気になったため、最後まで残りました。最後の挨拶は最後のセッションで登壇した方がアドリブ的にふられている様子でした。ここで高畑氏は登れたはずなのになぜやらないのか。私がカスタマーサポートする立場だったら絶対に絶対にやります。今話題のベネッセをはじめ、各企業はカスタマーサポートという面で非常に尽力している。もっと言えばネット選挙ですらそうです。対話が大切、また「傾聴」が大切、と繰り返し繰り返し述べられたイベントでした。傾聴、確かに大切ですが、コーチングの方法論としての「傾聴」はもはや使い古されたワードに聞こえました。うわべだけの傾聴や謝罪は最も不必要なものです。女子トイレと出演者控室が近いところにあったのですが、トイレに行った後控室を通ると、ドアが半開きになっていて、高畑氏が朗らかに大きな笑い声を上げていました。その、笑い声の先に誰がいたのか。

 

 自分なら(自分は元々舞台の人間であるという意識があるから、ですが)、お客様にそういうところは絶対に家に帰るまで見せません。問題が起きた後ですから、なおさら会場内では注意します。それはインシデント的なものの基本だとも思うのです。

 

 また、結局はこんなやりとりも最後のほうにありましたので紹介します。

 

(中略)

高畑:Twitterリテラシーが必要なんですよね。TwitterFacebook両方やってほしい。マストなのはホームページですね!ユーザーは、(選挙のとき)プロフィールをよく見るんですよ。ホームページをちゃんと作って、プロフィールをちゃんと書け!って話ですね。

家入:…(少し考えた後、苦笑しながら)「ホームページを持つべき!」ですか…ネットの僕らの感覚だと、10年前の話って感じがしますけどね…。(中略)ネットが全てはないが、ネットを使うことで戦える。力がないうちは、使えるもの全て使って戦わないと。バズるとか炎上とか、怒りやネガティブな力をベースに、(人々を)バズらせて、その先に待ってるものは何か?それで当選しても、怒りが蔓延した社会になってしまう。人を叩いたり足を引っぱったり感って大きい。「バズらせる」だけの発想のみでは、本質を見誤ってしまう。そもそもなんで政治家になりたいのか?が大事。

松田:ネットがあることで、しんどいことをしなくても選挙できちゃうのでは?っていうのは違うんですよね。

 

(これでセッション終わり。終わったあとすぐに家入氏から私のTwitterにお気に入りの星を付けていただいたことが印象的だったので、ノートにすぐに書きました)

 

 …このくだりで、何がツッコミどころかっていうと、「ホームページは10年前の感覚」、その通り、よく言ってくれたよ家入さん!…なんですよねー。私がこれ、左翼系の選挙集会だったら「そうだ!」と嬉々として言っちゃうところですし、私がネトウヨだったら「正論キター!!!」って書き込むところですし。geocitiesとか使って「ほむぱげ」とか手打ちでhtml打ってた時代なんでしょうか…ホームページビルダーでしょうか…カウンター付けてキリ番おめでとう!とかやってMIDI流しちゃうんでしょうか…。なんか、「ホームページ」って言うこととか自体もなんかWeb2.0もだいぶ過ぎましたし、「あーウェブサイトって言わないんだ、あー、全然クールじゃないな」とも思う。

 

 駆け出しの物書きとして常に考えることは、人をナメた発言を公の場所でしちゃダメだということ。例えば「この企画で女性を一本釣りする!」と考えてても、ターゲットは20代女性!と考えた企画書でも、そこでターゲットをナメたことを書くと、絶対に文面に出ちゃいます。これは、わずかな役割ながら選挙コンサルとしても常日頃考えていることです。高畑氏の謝罪の言葉では「せっかく楽しみに来てくれたのに残念な思いをさせてしまった」ということでした。しかし、私は遠足に行ったのではありません、遊びに行ったのではありません、ディズニーランドに蓮舫さんや津田さん見に行ってキャーキャーしたかったんじゃないんです。勉強しに行って持ち帰りに行ってるんです。咀嚼するんです、得たことを。

 

 なんとなく…ただの津田さんを見たくて会場に来ちゃった女の子的なニュアンスで扱ってくださった、という印象を受けていますが(特に自慢したくて書くわけではないですが、津田さんをお手本に髪を染めたりしているところはある…って書いちゃうとすごく痛いけれども、津田さんのジャーナリズムにはTwitterの日本上陸当初から非常に影響を私は受けています。非常に尊敬していることは本当に事実なのです。…あ、これ津田さんの話じゃなかった、要するに私が若く見られがち、女であることに加えてナメられがちな外見、という説明です)、そのような態度でナメてかかる顧客が、実はネット選挙において大きな仕事を果たしているかもしれない、もしくは今後するかもしれない…という視点がまったく感じられませんでした。そういう発想があったらもっと違う対応になったのかな、と思います。

 

 Facebookでもすぐに速報として事態を説明しました。その場にいて、事の顛末を見守ってくださった方からも「いいね!」が付いたりしていて、なんだかんだで理解していただけた方はいるし、あそこで挙手をした勇気は自分自身認めてあげたいという気持ちがある。しかし、こういう一対一の謝罪の仕方は、まるでセクハラヤジ事件と一緒です。塩村議員、さぞかし気持ち悪かったことでしょう。モジモジする会見だったことでしょう。そうでなければ(もはや塩村氏自身がどう感じたかはあまりわからないところもありますが、世界的に報道されて、あらゆる議会でのあらゆる党派の女性議員がセクハラを受けたことが明らかになっているこの局面で)、みんなの党の「炎上戦略」に国民全体がのせられている、我々は操られているんだ、と強く感じさせられた一日でした。

 

 もちろん私のこの報告全体を客観的に読んでも、高畑氏個人の失言に過ぎない、というご意見が大半かと思います。しかし私が差別意識を常日頃から感じ、ほんとうに「炎上」に気をつけているならば、壇上で何らかのアクションをするでしょう、私ならば。ポロリとでもこぼしてしまうということは、単に言葉のあやにすぎなくても、普段からそのようなお考えをお持ちということです。「炎上に気をつけよう!」に近いタイトルのセッションで炎上していてどうするのでしょうか。ミイラ取りがミイラとはうまくいったものです。女性に対する表現としては、もちろんコンビニでananと週刊現代を例えば比べたときにまったく見出しの付け方は違う、ネットニュースなども当然のことながらターゲットをきめ細かく考えて作り込まれPVが量産され続けています。また、人に対してわかりやすい言葉を使うということに関しては私も井上ひさし花森安治の言葉をいつも胸に刻みながら生きています。しかしながら、言っちゃダメなことは、絶対に言っちゃダメなのです。私はこの点をずっと崩さずに、生きて戦い続けようと思います。人に対して真摯な立場であり続けたいと思うのです。

 

 選挙や政治は、何の党派や会派であっても、誠実さや誠意が有権者に伝わらないといけない。それは、候補者・政治家などの担ぎ上げられる人だけではなく、ブレーンとして事務所の中からサポートする人の誠実さも重要なのです。もっと言えば、色々な場面ですぐに対立候補から揚げ足をとられることがしばしばあることから、支持者・支援者にもリテラシーが必要とされる時代になってきました。ここ数年は特に、Twitterを選挙に大きく用いる時代なので。ですから私はこのことをよく鑑み、物書きとしても修行を積みながら、必要とされたときにわかりやすくものを伝えられる人でありたい。良い選挙コンサルになりたい、いや、コンサルという言葉はそもそもどうなのかというのもあるのですが…(松田氏は「選挙プランナー」と使っているので「プランナー」のほうが嫌味がなくてよいのかもしれませんね)女性の選挙コンサルというのはきっと必要だと思ったのでした。助けが必要だよ、というところですぐに駆けつけて動ける人になりたい、と。「炎上」や「バズる」なんて言葉だけでは言い表せないように、人の心を動かせる人になりたい、と。

 

 この件、この怒り、このもめ事は、私個人のものであって、何かの党派や会派の考えに準じるわけではないことを最後に明記して、ご報告を終わります。また、もうひとつ。私は中野区長選が盛り上がらなかったのは家入氏ひとりの責任だとはまったく考えません。色々選挙期間中彼なりに動いていたことが伺えるし、そもそも投票率や民意というものは誰かひとりに責任を押しつけるべきものではありません。読んでくださってありがとうございました。

 

追記します(7/29):

 家入氏の「ぼくらの」の多用は、実は選挙後特にインターネットで何かと批判を受けることが多いワードでした。特にインターネッ党の立ち上げ前後にその声が多かったように感じています。なぜなら、ひとつめに、「ぼく」を使うことで男性を表し、女性やLGBTの方々の政治参加を無視するのではないか、というイメージをパッと与えてしまう。ふたつめに、家入氏の言う「ぼくら」というのがいったいどこにあるのか、誰を指すものなのか、選挙期間中もインターネッ党のサイトからも、いまいち見えにくかった部分は否めません。

 私個人としては「ぼくらの」は言葉のセンスがあると思っています。特に若者が主体的に政治を考えていけるキャッチコピーであり、非常に優秀なのではないかと感じていました。それとともに、やはりジェンダーに関しての意識は家入氏はいかがなのか、と感じてはいた。しかしそれを補うような政策は出されていたように記憶しています。

 以上を考慮した場合、問題箇所である発言、「女性には漢字を少なめに」の直後に「家入さんの『ぼくらの』はセンスがいい」と話をつなげる高畑氏の情報感覚というものは、もしかするとけっして鋭いとは言いがたいものなのではないか。どれだけネットで「バズった」ものをキャッチされているのか、私は不思議に思います。「選挙フォーラム」というイベント自体が非常にいかがなものか、と思えてくるのです。

私の読みたい「路地裏で飲む特集」女性誌

某女性誌Hの企画を立てろという宿題。なんかバックナンバーとかもまあ見られるだけは見たんだけど、まあぶっちゃけ、スローライフ、旅行でのんびり!みたいなの自分が出すにはパンチないかな、と。ちゃんとM社の方が来てくださる機会なので、まあ長い間のオリーブ少女を経て、廃刊になったMUTTSを読んで思横特集や下北・高円寺特集、池袋特集に憧れながら育った高校時代を思い出して、殴り書きしました。あの、MUTTSに書いてた方たち今何してるんだろう。また会えるといいな、どこかで。ほんとにMUTTSの読むところの多さは、上京前だったし毎回買うたびにワクワクしてた。今も捨てられずに、実家の学習机の上に積んであるはず。

提出したのは手書きなので、ここまで見出し以下は書くスペースなかった。こんな雑誌あったら私は買うけど、まあ、売れないだろうな…。(あ、もちろん仮の企画書です。勉強のためのね!)なんかさー、dancyuとか…違うか、大人の休日とか…あれもモテようとするオッサンのだから違うかもか、なんかさー、東京ウォーカーでも、男ターゲットになっちゃうから、女性に向けて「いや!こんなに横丁楽しいから!おいでよ!」ってオープンな雑誌、あったら絶対買うんだよね…。しかもいわゆる汚ミシュランとか、B級グルメ、というか、ほんとにセンベロ特集ってめっちゃアリだと思うんだよね、女が入れる店。女も非正規でカネないしさ、たぶん。飲んどけるのも独身の今のうちだしさ。もっと言うと子供産めるか微妙な社会だしさ。

参考にしたもの。最近の仲間うちでの飲み歩きの中での、路地裏率の尋常でない高さ。私が路地裏、横丁を好きというクレイジーなマインド。それから、Rettyでよく見ている、できるだけコスパよく飲むことが好きなおじさまたちの口コミ。いつもありがとうございます。安くておいしいものたち、バンザイ!

 

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女性誌H特集

 

特集タイトル TOKYO路地裏ディープナビ

サブタイトル 横丁系女子、立ち飲みで見えてくるカルチャー

 

特集趣旨(200字)

 「角打ち」「センベロ」なんてオジサンたちが話しているのを聞いたことはありませんか?「角打ち」とは立ち飲みのこと、「センベロ」とは、なんと千円でべろべろに酔える店のこと。東京にはおいしくて安いお店がたくさん並ぶ、知られざる路地裏がたくさん!オジサンたちに独占させておくなんてもったいない。一日の仕事を終えて、狭い路地裏の扉を開けるといつものマスターの笑顔。さあ、路地裏探検、はじめませんか?

 

特集コンテンツ(目次)

東京の路地裏ならここでしょ!新宿西口思い出横丁。(8P

 つるかめ食堂、ウッチャン、カブト、越後屋ALBATROSSを取材。地図をつける。

 

横丁系女子、おひとりさまデビューガイド。(6P

 イラストレーター(たかぎなおこ系)付きで横丁の作法をガイド。

 

渡部さん大久保さん、おいしい酒場、教えてくださいな。(6P

 アンジャッシュ渡部建オアシズ大久保佳代子の芸人はここで飲む、ここがうまい!対談。渡部さんはイケメンかつ食通だから。大久保さんは一人で立ち飲み普通そうだから。人力舎どうし対談がはずみそう。

 

路地裏、描いてきた。撮ってきた。飲んできた。(10P

 しまおまほ梅佳代のコンビで横丁に行ってもらう。梅佳代の写真を引き伸ばして載せるページや、カメラやスケッチブックを抱えた二人の写真など。梅佳代の写真メインで、しまおまほに説明文やイラストを添えてもらう。横丁に生息する猫の写真などもほしい。

 

東京にはこんなに横丁が。あなたのそばにも、ほら横丁。(20P

 恵比寿横丁、ハーモニカ横丁、渋谷のんべえ横丁、ゴールデン街大井町、五反田、月島、築地、北千住、秋葉原、亀戸、錦糸町、谷根千、下北沢など、できるだけ女性ひとりで行って危なくないところをピックアップしてガイド。

 

路地裏カルチャー、この映画やドラマが泣けるんです。(6P

 深夜食堂孤独のグルメそこのみにて光輝く

教えてリリーさん、女の飲みざま。(4P

 リリー・フランキー「女子のいきざま」を引用しながら「横丁で飲む女子はセクシー」的なことを語ってもらうインタビュー、かっこいいグラビア。

 

発売日 9/119/25

 

具体的想定読者像

独身女性。20代後半で恋人がいない。一人で出かけておいしいものを食べるのが好き。散歩も好き。昔OliveMUTTSが好きだった。

30代独身女性で、すでにひとりで飲むことにも開き直っている層。

 

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リリーさんの本の引用はだいぶ古い感じあって無理あったなー。なんか、横丁行けばこういうオトナな感じの人に会えるよ!ってグラビアを絶対挟みたかったんだよね。それだとちょっと綾野剛とかだとリアルじゃないなと思ってしまって。リリーさんだったら全然私セックスしたい感じあるし(しません)、横丁で飲んでそうだよね…。

思横は、まあ朝起を入れないとツウ感が出ないけど、さすがにHのトップでそれはどうなのかな…という感じで外してみた。

えーと、こんな感じを生かしてひとつガチで特集書きます、ほんと近々。この感じがめちゃくちゃ好きなの。なんか、一人一本、この横丁に行けばなんかある!みたいなの持ってると、ちょっぴり人生変わると思う。そこで出会う人とか、色々。

ザルツブルグのてっぺんで、女たちは叫んだ。

 「あそこで、何かが起きている。」

 いつも寡黙な大野サトルが、固く腕組みをしながら、遠くを見つめぼそっと呟いた。憂鬱のように曇った空の下、山頂にそびえ立つ城のシルエットがひときわ大きく見える。北村サキは内心驚いてオーノの顔を横からちらりと覗いたが、オーノは大きな敵を見つめるかのように姿勢を崩さなかった。森田アヤコは自慢の一眼レフで景色を一分ごとに切り取っている。

 

この日、オーストリアザルツブルグに、音大生三人は初めて降り立ったのだった。冬である。今日中には研修所に戻らねばならないから、まるでメロスのように早朝から三時間も電車に揺られてきたのだった。それでも、ザルツブルグに来てみたかった。天才、モーツァルトの生まれた土地を。育った土地を。彼の遺した軌跡をこの目で見たかった。

モーツァルトの家。使っていたピアノや楽譜やペン。髪の毛の束や丸眼鏡。モーツァルトたち家族が毎晩眠っていた、小さな質素な寝台。ずっと使われ続けている暖炉に、ゆらゆら燃え続ける炎。モーツァルトは、確かに生きていたのだ。少しだけ泣きそうになりながら、三人は足早に展示を回った。

 

 この街ぜんたいを見渡すには、どうしても標高五百八メートルの山の上へ、ホーエンザルツブルグ城へと登る必要があった。

 しかし、季節は冬であった。ケーブルカーの乗り場には「連結防止のため運休」という看板が出ている。クールなサキと消極的なアヤコは、撤退しようかと目で合図を送り合っていた。三人の中で沈黙が続く。

い、いやっ、ここまで来たんだよお?登ろうよ!」

と、オーノまた、叫んだ普段おとなしいことでいじられがちなオーノが、映画版のび太のように輝いて見えた瞬間だった。ザルツブルグ雪山登山隊、オーノ隊長の誕生である。

 

雪を踏みしめ、何度も滑り落ちそうになりながらも、山頂に着いた瞬間。視界がぱっと、鮮やかにはじけた。

あの景色を、今でもオーノは自宅でピアノに向かいながら、鮮明に思い出すことがある。左手にはザルツブルグの市街、少し離れると敷地の広い屋敷がぽつりぽつりと建っていて、はるか遠くにはアルプスの山並み。空は日が落ちかけていて、雲と入り混じり、青黒く淀んでいた。異国で目の当たりにした、不安を掻き立てる色。ふと気を許せば惹き込まれてしまいそうな怪しい魅力があった。

徐々に日が落ちる。幹線道路に浮かび上がる光の列。あたたかなオレンジ色の点々が人々の生活の温もりを、人々の呼吸を、空に向かって発している。手前に見える屋敷の広間では男女がごく親しげに談笑していた。

空は容赦なく黒く沈んでゆくが、遠くの雄大な山並みはくっきり縁取られ、その威容を保っている。生きている。モーツァルトの暮らしたザルツブルグで、今も人々は生きて、暮らしている。

 

「うおおおおおおおっ!やっほおおおおおおおお!」

突然サキが奇声をあげて、城壁の一番上までよじ登った。足場をひとつ間違えればすぐにまっさかさまだ。

「北村さん、降りなって!死んじゃうよお、死んじゃうって!」

オーノはサキの足元に駆け寄って説得しようと試みてはみたものの、既にサキのリミッターは破壊されていた。

「だって、こんなにきれいなんだもん。ダイブしてここで死んでやるう!」

オロオロしながらオーノは、優等生タイプのアヤコを振り返った。想像通りアヤコは冷静に二人の様子をカメラに収めている最中である。もう、森田さんどうにかしてよ、写真撮ってる場合じゃないでしょ、と、オーノは心の中でつっこんだのだった。が、そのとき。

「私も登る!見るっ!」

 アヤコも城壁によじ登りだした。コートを翻してサキとアヤコは、ザルツブルグの真ん中に、てっぺんに立っているのだった。確かに何かが、起こっていた。間違いなく起こっていた。三人が、今、「死んでもいい」と思う何かが。

 「うおおおおおお!日本に帰りたくないよおおお!」

 「モーツァルトみたいにずっとここで暮らしたいよおおおおおお!

 オーノは、二人の女の背中越しに、美しいザルツブルグの風景を、いつまでもいつまでも、身体のずっと奥までしみ込ませるように丁寧に眺めていた。

 

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すいません、えーとこれは、なんだっけ。えーと、1200字で生々しい旅行記を書け、と言われたので、各所から協力を得て書いた、ザルツブルグの山に登って降りてきた話でした。初稿はもっと長くてまとまんなくて、これもまあまとまってないんだけど、まあこれで今日は妥協、ぐらいの…。あとこれ、最大の問題は1500字ぐらいあるんだよね…。

 

エピソード自体がまあ、これは酷い話!って感じに雑で面白いので(誰もザルツブルグの山からダイブして死ぬ!と叫ぶやつはそんなにいない…ガンジス河でバタフライみたいな感じで調理できるんじゃないかと思ったりする)、まあもうこれしかないかな、と。あとは富山の刺身が旨かった、ぐらいしか私の人生にはあんまし話題がない。あ、あと大阪のバーで飲むのが楽しい、とか、色々あるな!あったあった。

 

居酒屋で思い出話をしてくれてネタ提供をしてくれたオーノさん、サキさん(私の作文の書き出しまで、飲み会解散のホームで決まる飲み会最高やで!)、それから私のために城の画像検索をちょっぱやでしてくれ、ウィーンでは肉と鍋を食わせてくれたEさん、みなさんご協力ありがとうございました。ウィーンへの旅はほんとに素敵だったな。あの旅は多分一生忘れないなー。

誕生日でした。

7月23日、ふみの日。午前7時半に生まれました。ほんとうは7月20日ぐらいに生まれるはずだったんですが、粘ったらしいです。レジスタンスです。未だに、占いのコーナーでは獅子座と分類されるギリギリの日付なのですが、そういうわけで蟹座と言い張っています。…いや、あれ太陽との微妙な角度なので、ほんとに蟹座らしいんだけどね。

…で、ほしいものリスト今年も作りました!住所バレできずにカワスミさんに物資が送れます。切実っぽいものも取り揃えてみましたが、私は元気です。景気もなかなかな今日この頃ですが、消費税10%になる前にでも、ひとつよろしくお願いいたします。


いつもみなさまありがとうございます。また一年生きている。楽しいことがたくさんあっておいしいものが食べられる。よかった。

Ingressについて、まだ初心者だけど書いてみた。

Ingress旋風、来てます。ちょうど、1200字で好きなものを社会的に何か書けって課題があったので、書いてみました。かなり急に仕上げてしまったので雑です…まだまだ推敲できそう。もうちょっと魅力が伝わる文章にすればよかった。「普段のお出かけが楽しい!」というところがミソだと思うので、うまくそこを表現できなかったですね。あとタイトルがカチッとハマらなかった。ただ、これを書いたら弟がIngressダウンロードしてたので、読みにくい人には読みにくいですけど、ある意味まあひとりには伝わったのかなと。あえて、文字数を切ったり少しだけ推敲したりする前の初稿を載せます。原文は縦書きです。

位置情報を利用したゲームから始まる新しいコミュニケーション

 

 「猫も杓子もスマホ」の時代である。電車内を見渡すとほとんどの人物がスマホに熱心に見入り、ニュースや「友達」の動向をチェックしている。あるいはラインなどのメッセージサービスで、他愛ない雑談を送り合い、毛繕いのようなコミュニケーションをしている。

 このスマホ時代、一億ソーシャルメディア時代、私たちひとりひとりはほんとうに誰かに「発信」できているのだろうか。フェイスブックがどれだけ発達しても、積極的に活用しない限り、地元の中学校の同級生と再会して終わりだ。最近はフェイスブックで同級生と再会したことによる不倫も増えていると聞く。悩ましい限りである。これをエピソードとして印象的に取り扱ったのは今夏公開の映画「あいときぼうのまち」である。東京電力などの企業を名指しで批判することでメディアに取り上げられないとことで話題となった。

 フェイスブックで「今日はオフだから、誰々ちゃんとカフェで一息。かわいいカプチーノだよ。くまさんが描いてあるの。明日も恋に仕事に頑張ろうっと。」と写真を投稿して、学生時代の友達から「いいね!」が集まる。想像するに、二十ぐらいの「いいね!」が。私はそれを否定しない。実際私自身もそのような投稿をするのは嫌いではないからだ。しかし、その日記でどれだけのアウトプットができているのだろうか。古代ギリシャの石碑に残された落書きのように、ずっと未来まで私たちの言葉は残るのだろうか。いや、きっとバブル時代に一世を風靡したポケットベルのメッセージのように、塵のように消えてしまうだろう。

 私たちは、リアル世界で「出会った」人としかインターネットを通じて交流できないのであろうか。もしそれ以外を求めるのならば、いわゆる出会い系サイトを使うしかないのであろうか。その問いを打破するひとつのゲームがある。

 先週、私のフェイスブックのウォール上である単語が話題になった。「イングレス」である。グーグルが提供したゲームで、これまでアンドロイド版しか公開されていないにも関わらず、アンドロイドを使ういわゆる「新しモノ好きな人たち」からは圧倒的に支持されていた。二〇一四年七月十四日、ついにアイオーエス版がリリースされた。つまりシェアの最も多いスマートフォンアップル社のアイフォーンに対応されたのである。

 ルールは簡単で、青色と緑色の軍隊に分かれてこの地上の陣地を取り合うというものだ。陣地を取るためには携帯電話の位置情報を使うため、携帯電話を持って外に出て、実際にその場所に行く必要がある。

 これまでも、「コロニーな生活」や「ケータイ国盗り合戦」など、位置情報を使ったゲームはある層に非常に人気があった。私の友人で言えば特に音楽家である。彼らは仕事のための移動が非常に多く、移動に付随してくる副次的なメリットを潜在的に求めていた。特に「コロニーな生活は知り合いの音楽家ほとんどがプレイしていて、全国各地のバーチャルな「おみやげ」を配り合うことで、親密になることができた。

 イングレスは特に東京都内で盛んだ。フェイスブックのグループでは既に、「六本木ミッドタウンを一緒に攻めに行こう!」というような書き込みも見られる。また、コムなどのチャットアプリを通じて、知らない人とも交流して新しい開拓地を探すユーザーも多いようだ

 一世を風靡し続けるゲーム、モンスターハンターの「一狩り行こうぜ!」も魅力的なキャッチコピーだった。当初は友人同士がゲームをするためにカフェなどに集まるという現象があったが、オンラインでも集まれる機能が付いて、一時期のようなリアル世界での熱狂はなくなってしまった。

 イングレスならば、スマホひとつで位置情報を活用し、知らない人と一緒に戦える可能性が高い。今ならユーザーがまだ少なく「新しモノ好きな人たち」で溢れているからだ。ゲーム自体は、英語でしか説明がない、若干ルールが複雑など、わかりづらい点も多いため、これからオフ会なども増えるのではないかと想像する。

 新しい、流行りそうなネットサービスを見つけたときは、タイミングを逃さずに飛び込んでおいたほうがいい。なぜなら、そこで、そのときしか出会えない人物と出会うことができるからだ。私はそういうふうに飛び込んで、自分に影響を及ぼす人たちと出会ってきた。イングレスにも、飛び込み続けるだろう。

 

中野区の広報Twitterがあんまり仕事してくれません!

こんなに台風が迫っていて、中野区、水害に弱いんですよね。中野区のTwitterはほとんど動かず、大事な区長選も周知せず、その間起こった大雨や地震にもまったく対応していません。近隣の区はさまざまな形で今回の台風に関する注意を呼びかけています。どうした、中野区!ヤバいぞ、中野区!やる気ないのか、中野区!区議さんと区民とその他なんとなくゆるめにTwitterのまとめ、作りました。

http://togetter.com/li/691079 

補足、無所属の中野区議会議員小宮山たかし氏が、二度ほどTwitterの積極活用について区議会で質問しているとのことですので、こちらも併せてご参照ください。(あ、このURLだと開けられないな…とりあえずこのリンクを踏んで、検索窓に「ツイッター」と打ち込んで情報を得ることをオススメします。とりいそぎすみません。)

http://kugikai-nakano.jp/view.html?gijiroku_id=487&s=ツイッター&#S1

えー、さらに掘りました。小宮山議員の発言に対して、確かに回答あります。あれ、ゆうてるやんけ!なんでやってないの?今…。以下引用です。(未だにはてなブログの文字の大きさの操作がうまくできません、文字の大きさなどにあまり意図はありませんが今後がんばります!)

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○政策室長(竹内沖司) 

[5]ツイッター についての御質問にお答えいたします。区としてツイートする内容につきましては、主に防災に関する緊急情報やホームページの注目情報に掲載した情報でございます。これらの情報を区民に対して迅速に広めるために行っているものでございます。

茨城県の「ここがイケてっぺ」発掘隊!

(ある講座で、数人でグループ組んだらどんな企画を通したいか…みたいな感じで、なんか書かなきゃーと思ったのでとりあえず茨城愛をぶつけてみました。一応ここにプールします。審査前かつ発表前なので少し加筆修正加えました。あとこんな茨城大好きすぎる異常なテンションで、一般の東京の講座で企画通らないのでは…まあ弱気です。砕けてきてやんぜ!こういうの、ぼっち的にはあんまりやるの苦手…のは実はあるんですけど、このノリだと何人かで取材行かないとあんまり面白くないので、茨城愛する人からのお誘い、待ってます!あと全然ひとりでも茨城行きまーす!ひとりで遊んでみた、みたいなのも書きまーす!趣味で。) 

企画案

 茨城県は公式サイトに「なめんなよいばらき県」略して「なめいば」を打ち出し、茨城県出身の人気お笑い芸人をPRに起用するなど、もはや背に腹は代えられない状態である。都道府県の魅力度ランキング、例年最下位常連の茨城県、まるでananの「抱かれたくない男ランキング」での出川哲朗氏の立ち位置に等しい。ここで、グループを組んで茨城県庁の広報広聴課に電話をして、グループでの行き先を「ダーツの旅」のごとく決めて、鉄道ないしは高速バスで移動、地元民とふれあい、地元グルメを満喫し、自然に囲まれて全力で遊んでくる。もちろんその様子は写真(理想はデイリーポータルZのような、若干ちゃかした、しかし全力で大人が遊んでいると一目でわかるもの)や動画で残し、Web上で公開する。できれば印刷物として、「茨城県の『ここがイケてっぺ』発掘隊!ルポ」というフリーペーパーにした形で茨城県庁や県内各自治体、茨城マルシェ(茨城の特産品を扱う在京の店)、茨城と友好都市関係にある主に首都圏の各自治体に送付する。

 

 ここで、私が行き先として個人的に推したいのは水戸市、そして大子町である。水戸市は県庁所在地。展望台になるような大きな県庁があり、茨城が広く見渡せる。水戸芸術館もあり、優れた学芸員が運営を続けている。私自身、高校時代から通いつめ、演奏家時代には出演もさせていただいた。特に現代美術やクラシック、演劇が好きな人にとっては、東京からでも駆けつける首都圏では貴重なスポットとなっている。また水戸黄門像、納豆像、駅ビルなどもあることから、最新の納豆グルメにチャレンジ!などの企画も容易。大子町には、袋田の滝という関東有数の滝があり、夏に涼むのにはぴったりである。もっと観光資源として、例えば東京の人がアクセスする長瀞奥多摩ぐらいに成長してほしい。スローライフの気運高まる昨今、大子町には東京から移住する人も多い。

 次いで、大洗町笠間市大洗町の大洗サンビーチで海水浴体験。これは絵になる。スイカ割りもマスト。笠間市では、笠間焼の陶芸体験ができる。インターネットで話題の「ろくろを回す」ポーズ、実物のろくろと共にろくろポーズをキメる若者の写真、ここに誕生できる。

 また、いばらきフィルムコミッションの活動も盛んだ。東京からアクセスしやすい田舎の風景が撮れる場所であるため、また文化的な明治の建物なども残っているため、「県庁の星」や「テルマエロマエ」をはじめとした数多くのドラマや映画が、実は茨城から誕生しているのだ。少し古い話にはなるが、「古畑任三郎」で木村拓哉演じる犯人が爆破しようとした遊園地の観覧車、あれも実は茨城である。

 

 人物への取材としては、吉本興業あなたの街に”住みます”プロジェクト」略して「住みます芸人」の、茨城に住んで活動している若手芸人「オスペンギン」が茨城県の公式サイトでは取り上げられているが、私はここであえて「ねば~る君」という、納豆の妖精という設定の世にも奇妙なゆるキャラに着目したい。「中の人」は恐らくある(吉本ではない)お笑い事務所の、お笑いコンビである可能性が非常に高い。ふなっしーを想起させる「ねば~る君」の奇妙なデザイン、あくまでも「非公認ゆるキャラ」としての積極的な活動、隣で彼を操る相棒「納豆お兄さん」とのやりとりで、今や茨城県内での各種イベントをはじめ、東京のややアングラなお笑いライブにも欠かせない存在。「朝ズバッ!」などのテレビ番組にも何度か使われはじめている、今最も茨城で動向を追う必要がある熱いゆるキャラである。ゆるキャラブームはもはや全国的に終焉の様相を呈しつつあるが、ある種の「キモかわいい」路線を突き進む「ねば~る君」、私は非常にロックだと思い、尊敬している。この企画が通るのであれば、ぜひ「ねば~る君と遊ぶ大きなお友達!」というテーマで「ねば~る君」公式動画にも出演し、コラボ企画を進めたい。

 

 最後にひとつだけ注意点ではあるが、茨城は東日本大震災被災地である。だからこそ私は「食べて応援」「行って応援」をこの企画で一番に推し進めたい。しかし福島第一原子力発電所からの距離は、実は近く、放射能汚染に関しても非常に配慮せねばならない。どこを取り上げるか間違えると(例えば県の北部の汚染が噂されている公園の草をそのまま食べるなど)、脱原発運動を起こす市民からのクレームが入り、広報として逆効果になってしまう。この問題が実は深刻であるため、行き先には相当の配慮が実は必要だ。

 

結論

 茨城は、東京から近いリゾート地!知られていないいいところが山ほどあります!盛り上げっぺ、茨城!

 

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追記:

読んでくださった講師のK.H氏からいただいたコメントがとても嬉しかったので載せます。

「いやあ、茨城への限りない愛が感じられていいねえ。これを読んでも、私個人としてはまったく茨城に行ってみっぺかという気分にはまったくあんらないのだけど(すまぬ)でも、その愛の強さぶん、話は聞いてしまう。その、必死で説明しているのに効果的ではない、というところもおもしろくはある。でも、文章としてはおもしろいけど、企画書としては、もう少し整理して、タイトルのあと、内容が数行で把握出来るような部分を書いてもらいたい。処理のしかたおよび、媒体の種類によるのだが、実際の企画として可能だとおもう。それはやはり『とても強い対象への愛』と『どこまでも具体的なプレゼンテーション』にありますね。その細かさに心動かされます。いや、まったく茨城に行きたくはならないんだけどね。話は聞く。(C+)」

ありがとうございました。茨城いいとこですってば!茨城のみなさま、ぜひなんか書かせてください!!!売り込みに参りますので、もうちょっと修行しますので待っててください!今回、家族をはじめ、茨城のブロガーのみなさまにこの文ではお世話になりました。ほんとうにありがとうございました。まだまだがんばっていくべ、茨城!