日々、考える。日常。

物書きをしてゆきたいカワスミが、日々考えたことをストックするためのブログです。

不審な男を見かけたら、すぐに110番してよい

強引な新聞の勧誘に遭った話です。

 

数日前、いつもの低気圧による頭痛で、ワンピースのパジャマ一枚着ておでこに冷えピタ貼って、ボサボサの頭で一日中家で寝込んでいました。そんな平日の夜、19時10分頃、いきなりガンガンガン!と激しくドアを叩く音がしました。

 

私の家は色々設備が古すぎてチャイムもついていなかったのですが、さすがに怖くて、去年大家さんが心配してくれて、親切にも付けてくださったのです(インターフォンではない)。このへんは古い家が多いので、チャイムのない家が多いのかもしれません。とにかく、人の家を訪問するならまずチャイムを探すのが筋だよな、と思います。

 

頭痛いなー、宅配便は受け取ったし、こんな時間に誰だよもう…と布団の中でもがいていると、もう一度ガンガンガン!と激しい音がしました。私は宗教の勧誘などもちゃんと追っ払う主義なので、目をこすりながら玄関に向かいました。玄関のドアの脇に、外の様子がうかがえる窓があるので、そこをそっと開けて訪問者を見てみたところ…目の前には、Tシャツにジャージのようなだらしない…とまではいいませんがとても営業するような服装ではない高年の男性が立っていました。

 

男性は言いました。「一人暮らし?新聞とってる?」と。ポストには、その週はあるA新聞の一週間お試し購読を頼んでいたので、A新聞がささっています。背中側のポストと、目の前にいる私を見比べる男性。私が新聞をとっているから、なんだというのでしょうか。

 

とりあえず、芸能リポーターに襲われた芸能人でも、こういうときは相手の身元を確認するのが鉄則、と聞いていますから、私はとても冷静に笑顔を作成して「どちらからいらしたんですか?」と質問しました。ほんとうは私のゼロ円スマイル、割と価値があると思うのでもったいなかったんですけども。すると男はこう言いました。「読売新聞のほうから。」

 

と同時に、窓ガラスを半分開けて網戸だけになっている状態で、その開けたガラスを男は片手で力強く押さえつけて、私がシャットダウンできない状況を暴力的につくり出しました。危機感を覚えたので、「それ以上すると警察呼びますよ!」と強くぴしゃりと言い、「今すぐ帰ってください!」と冷静に、できる限りゆっくり伝えました。

 

男は、20秒ほどでしょうか、間をおいてしばらく黙ったあと、舌打ちするような表情で「言われなくても帰るよ!」と捨て台詞をとても乱暴に吐いて私の家の前から去りました。そして、隣の家の扉をまた乱暴に叩き続けていました。

 

その直後、A新聞の営業の方がいらして、この方にはお名刺もいただいていますしお会いするのは二回目だったので、「ちょっとあの、今この近所で新聞売ってる人怖いんですけど…(新聞屋さんが大変なのもわかりますが…どうにか助けてもらえませんかね…)」と伝えたのですが、苦い顔をして黙られたままでした。私がお試し購読だけで契約していたらまた違ったのかもしれませんが。業務的な話をして彼も立ち去りました。その間、例の男はずっと隣近所をガンガン叩いて回っていました。

 

その後どうしたかというと、19時20分頃、すぐさま「読売新聞 問い合わせ」で検索したところ、お客様相談センターの電話番号が見つかったので電話しました。新聞の営業について、と窓口で伝えると、担当の男性にすぐ電話を回してくれました。切実に状況を説明したところ、私の住所と名前を聞き出して、「そちらにはその男を二度と行かせないようにする」と言っていただきました。「このような前時代的な新聞の営業はやめていただきたい、非常に防犯上不安である」と伝えたところ、「おっしゃる通りです」と、電話ごしながらも平身低頭で対応していただきました。

 

そうは言ってもやはり不安なものです。警察には、110番するとき迷ったとき相談する用の「警察相談ダイヤル」というものがあって、これは#9110なのですが、19時26分にかけてみても既に留守電での対応となっていました。受付時間を終了していたのです。

 

念には念を入れたいので、翌日昼間にもう一度#9110に電話して概要を説明したところ、住所を訊かれ、担当の警察署の電話番号を教えていただきメモしました(転送はしてくれないのかもしれません)。

 

そこで、近くの警察署にもう一度電話しました。男性が出て、名乗ってくださいました。前日の状況をできるだけ細かく説明したところ、「それは犯罪にあたります。窓をむりやり押さえつける行為は強制にあたるので。すぐ110番していただいてOKです」と説明されました。「私の認識は、家に一歩でも入り込んだら警察を呼んでよい、だったのですが違うのですか?」と尋ねると「窓を押さえつけているし、それがもしなくても、ドアをガンガン叩いたり、近所で怒鳴り声がする、というだけで、新聞勧誘や押し売りを110番してよい」とのことでした。「そうだったんですね知りませんでした!」と私はびっくりして、「この件をインターネットで流させていただいてもよろしいでしょうか?」と確認したところ、「犯罪防止につながりますので、どんどんやってください」とお答えいただいたので、すぐにTwitterに書き込むと、リツイートがありました。

 

その後、用事があって出かけて道を歩いていたのですが、また警察署の同じ方から電話があり、男の人相や特徴や服装など事細かに覚えていることを訊かれました。しかし、昨日のことですし私も動揺していたため、服の色などはあまり思い出せませんでした。

 

結論としては、すぐに110番するのが大事です。でないと例の男はほんとうに読売新聞の販売員なのかも謎のままですから、読売新聞だけに報告しても男の所属が突き止められないと根本的な解決にはなりません。最近、野球は巨人軍を応援することになんとなくしていますが、それにしても読売新聞社のことを全面的に、ことに新聞勧誘におけるセキュリティ面で信頼しているわけではありません。それから、これがほんとうに重要な点なのですが、もしかすると新聞勧誘を理由にドアを開けさせ、人に危害を加える目的だった可能性もあります。

 

私のもとにその日、つまり勧誘に遭った次の日、ある女性からメッセージが届きました。彼女によると、最近同じような目に遭ったとのこと。新聞記事にもなって彼女の年齢も出てしまっているので彼女はたいへん不服なようですが、特定されたくないためその記事は伏せます。彼女が住むマンションに今月のある日、平日の午前2時頃、ある男が「性的な暴行をする目的で侵入した疑い」とあり、住居侵入の疑いで現行犯逮捕されています。

 

彼女は急いで110番したので「間一髪間に合って御用になったけど、たった10万円の罰金ですぐ出てきた!」とのことでした。「10万を私に払ってほしいぐらいの時間と労力、精神的苦痛と恐怖とストレスを受けた」とのこと。セクハラや性被害が騒がれる中、まさか身近な方がそんな恐ろしい目に遭っていて、しかもたった10万円ですぐ出てきてしまうとは。すぐ出てきて、また別の女性を襲いに行くのでしょうか。更生させる時間は、どう考えてもないようですが。続いてその修羅場のまとめの文章もいただいたので、私のほうで少し編集を加えてここに載せます。

 

「人生初の強盗?強姦?に遭った。まだ胃痛と震えがおさまらない。深夜2時頃帰宅、洗面所で手洗いしていると、鍵の閉まった玄関のドアを開ける音が。時間も遅いので、酔っぱらった住人が部屋を間違えたのかな?と、覗き穴から外を見ると見知らぬ男がうろついていた。通路側の風呂場の窓は湿気がこもるので常に開けていて、目隠しにすだれを立てかけているのだが、それをどけるような音がしたので、これはヤバいとすぐに110番。

 

状況を話したらすぐに来てくれるとのこと。再び玄関へ様子を見に行くとガタガタと物音が。窓あいてる!やばいと思って窓を見ると、手が…!!!白い革手袋をしたような手が、窓をこじ開けるか壊そうとしているようだった。とっさに大声を出した。かなりテンパっていたので、『だぁれでぇすかぁぁああああ!!!!!????』となぜか疑問系の敬語で叫んだ。

 

犯人はあわてて逃走。グッドタイミングで下に到着した警察とはち合わせて御用になった。犯人の特徴を細かく伝えていたのがよかったみたい。その後、警察が数人狭い我が家へ入り、鑑識さんのポンポンも見た。写真も撮らせてくれた。風呂場の窓の手前に砂埃がたまっていたので足跡などもばっちり採取できていた。でも、散らかった部屋や干してある下着を見られ撮影までされたのが辛かった。

 

犯人は、帰宅した私を狙った様子。駐車場で物色していて後をつけてきたようだ。寝間着同然の格好でどスッピンのだったのだが…そのまま警察へ事情聴取へ行ったのもまた、辛かった(と、ユーモラスな彼女なのですが)。盗られるものなんて何もないのにどうして私を襲おうと思うのか。マジックミラー越しに犯人を確認した。20代前半の若者、前科があるそうだ。

 

とにかく、階段で事件が起こらず、部屋に入ってからで本当に助かった。冷静な行動はこういうときなかなかとれない。110番のダイヤルもできないし、電話のかけ方すらパニックで忘れる。携帯の発信履歴を見たら11や100と残っていた。

 

今回逮捕に繋がったのは、私がすぐに110番したのがよかったそうだ。少しでも遅れていたら…と思うと。電気がついていて人の気配がする部屋に堂々と入り込もうとするほどの輩だ。危険なにおいがしたらすぐ110番しましょう。」

 

…とのことでした。ここまで、この記事のタイトルを「強引な新聞勧誘を見かけたら、すぐに110番してよい」にしていましたが、「不審な男を見かけたら、すぐに110番してよい」に今、書き換えました。

 

こうやって記録に残すことで、私が例の男の反感を買う可能性もないとは言えませんが、何より、私の使命は自分の身に起こったことをできるだけ正確に伝えることだと、今思っています。それに、警察署の方が犯罪防止のためにどんどん公表してください、と言ってくれたので、絶対にこのことを公にしようと強く決めていました。性被害はほんとうに心に傷跡を残すものです。世の中の犯罪、とりわけ性犯罪をひとつでも減らしたい。この話を公開することで。

 

どうぞみなさん、戸惑わずに110番してください。見知らぬ男から暴力を振るわれる、レイプされるという事態を経て、あなたに大きな傷が残ってしまう前に。

 

私自身も、このようなぴしゃりとはねつけるような言動と性格で、周りからご心配いただくことが多いです。しかしこの件に限らず、例えばSNSにおける社会的な立場を利用したナンパやセクハラなどにおいても、嫌なものは嫌と言える私の行動が、相手の男の一方的な悪さを浮き彫りにし、客観的に見て彼は問題ではないか、と周りに伝えることができた事例もあります。私自身は、ほんとうはどうなってでもよいのです。それよりも、たくさんの方が辛い目に遭うことをどうしても避けたいのです。けれども、とてもありがたいことに心配してくださる友人の方々がいる。その方々のためにも、また家族のためにも、できるだけ物理的にも、それから社会的にも、セキュリティを万全にして毎日を過ごそうと思います。

 

私がストーカー対策で友人にアドバイスしていることを書きます。音楽をやっていたという経歴上、舞台に立つ友人が多いので。舞台というものはある意味魔物で、男女どちらでもいったん舞台に立ってしまうと、見に来てくださったお客様が自分に惚れ込んでくださってストーカー化することがよくあります。私自身何度か経験があって警察に駆け込んだこともありますし、逆にある分野の舞台にのめり込んで追っかけをしていたときに、その種の熱狂的なファンとしての狂気も自分自身に感じてしまったこともあります。

 

【ストーカーが出現していて襲われるかもしれない、という場合は最優先すべきこと】

・携帯電話の充電器を持ち歩く。充電が切れるといざというときに110番できないから。

・防犯ブザーを持ち歩く。

・いつどこに相手が潜んでいるかわからないので、歩きスマホなどをしない。

・一人暮らしの場合、スケジュール調整が可能であれば実家に帰るなどして、狙われている家から離れる。

・いつでも110番できる心構えをしておく。#9110もダイヤルする練習をしておく。

・この人は自分のことをつけ回している、と危機感を覚えたとき、または明らかな中傷行為をされた場合はすぐに交番に駆け込み事情を説明する。

 

【普段から人に伝えるようにしていること】

スマホの位置情報はナビを利用するとき以外、普段はオフにしておく。

・近所の人たちと普段からできるだけ挨拶をし、助け合う気持ちをシェアした人間関係を築いておく。

・知らない人(特に舞台のお客様)とSNS上で「友達」と呼ばれる関係になるときは充分注意をする。それが怖いならば元々知り合いに限定している、と言ってお断りする。

・特にTwitterで「学校なう」「電車なう」「強い雨が降ってきたなう」などの発言を続けていると生活リズムや生活している場所が自ずとわかるので、できれば発言しない。発言するならば、その危険性がわかった上で発言するというリテラシーを持ってほしい。

(特に位置情報を利用して、このアカウントは今ここにいる!というようなアプリが、旅行や移動系以外にもグルメやファッションなど様々なカテゴリで最近多いのですが、とりあえず下書き保存して今は投稿しない、家に帰ってから時間差で投稿する、などいくらでもやり方はある、と思います。「今私はここにいる!」をリアルタイムで発信するのは、限定公開といえども危険な場合がある。もし時間差投稿ができないのなら私はそのアプリは使いませんし、開発者に要望を出します。)

・営業用に全公開してるTwitterやブログでの写真では、特に自撮りする際の背景の写り込み、外を歩いて窓ガラスや反射するものを撮った際の自分の姿の写り込みに注意をする。

・「今日のコーデは黒いTシャツにジーンズでロックに決めた☆」みたいなコーデ自撮り、顔だけハートで隠してTwitterに上げても、街ですれ違って、あ、あの子だ!と思われる可能性は絶対ゼロではありません。それが怖い人は自撮りを全体公開しない。

・そもそも、そのレベルで怖い人は電車でスマホをいじるときにTwitterをしない。隣でTwitterしてると、アカウントが何で、どういう界隈と話をしているのかだいたいわかります。パズドラとかやっといたほうがいいです、たぶん。

 

【さらに気をつけることなど】

・家族や恋人と自分をできるだけ紐付けしない。

・家族や恋人、特に子供の写真をSNSに安易にアップしない。するなら相応の覚悟とリテラシーを持ってしてほしい、と私は思います。

・ネット上での発言、特に全世界に公開された発言に充分注意を払う。特に人に対応するときに誠心誠意を持って対応しつつ、相手の煽りに乗って自分に関する余計な情報を明かすことは避ける。

・ネットで自分に関する中傷や罵詈雑言を見かけたら、即座にスクリーンショットで手元に保存しておく。そのような恐れがある場合は定期的にエゴサーチをする習慣をつける。

スクリーンショットは、後で警察署でこういう被害に遭っている、と説明するときに非常に役に立ちます。警察署にストーカーに遭っていると駆け込んでも、向こうではパソコンも何も貸してくれません。自分でプレゼンできる態勢を準備していくことが大事です。そのためにも普段から証拠をストックしておきましょう)

・できたら、怖い目に遭ったらとっさにスマホを出して撮影か録画か録音をする(…したいけど、なかなかできないものです)。

・男性と二人きりでお酒を飲むときは、グラスを空にしてトイレに行かない。必ず自分で飲み物を頼んで、何か薬物を混ぜられないか確認しておく習慣を無意識につけたほうがよい。

フリーランスの人は特に、名刺を作る際、住所の入っているものと入っていないもの、二種類用意する。

・できれば最寄りの警察署の担当者の名前を控えておく。また、さらにできれば法律相談ができる相手の連絡先もひとつ、電話帳に入れておく。

 

…以上です。なんかもう少し思い出したら付け加えますがだいたい考えぬいたような気がする。梅雨、早く終わるといいですね。