日々、考える。日常。

物書きをしてゆきたいカワスミが、日々考えたことをストックするためのブログです。

2014年、使ってよかった無料iPhoneアプリ、10挙げてみるぞっ。

早いものでもう年の瀬ですが、それでは今年気に入ったiPhoneアプリの情報でーす! 特に回し者ではないです。順番は適当に…。では、参りますっ!

 

1.  Retty

 

グルメアプリです。Facebook(あるいはTwitter)との連携が基本なので、より「顔が見える食べログ・ぐるナビ」といった感じ。食べ物の好みの合う方をフォローすると、たくさん情報がゲットできます。

 

さらに、「新宿で飲み会したいんだけど、いいお店ないかな…?」などと思ったとき、これ使って探すと非常にヒット率が高いです、おいしいお店への。人といるときも、ひとりでもハッピー。寝る前に見ているとおなかすきますよ。オフ会も頻繁に開かれているようす。

 

プライバシーが気になる方(特に女性)は、「この店でカツ丼なう!」しちゃうと色々あるので、下書き保存してから後から公開が吉です。

 

2. Wantedly

 

基本的に就職・転職アプリです。Facebookと連携できるのも魅力。ここから応募すれば、基本的に履歴書が不要なことが多いので便利。

 

私も、一時期ハロワに通い真面目っぽい就活をしていたこともありましたが、まず履歴書が頭おかしいので(音大ばかり行っていた30歳、採りづらいですよね…)、どうしても履歴書で蹴られてしまう。私が最初にライターの仕事をゲットできたのは、Wantedlyからでした。

 

ここで自己紹介をキッチリ作れば仕事ゲットのためのツールとして、これからも役立つと思ったりしてますよ。…まじめか!

 

3. 時短美人

 

女性用のニュースアプリ、たくさんありますが、とにかくたくさん出てきちゃうんで、もう何読んでいいかわかんないです(書いてる自分が言うのも、だいぶアレですが…)。あれもこれも…ってパニックになったり。

 

ここでは、朝夕1回ずつ、ここ独自のキュレーション記事が送られてきますよ。結構タイムリーに色々あります。正直「ネットのどこかで見たような…」というネタも多くて、速報性には欠けますが、女性が何を求めているのか勉強になりますし、単純にためになるときも多いです。ズボラ女子には、もうこれでいいかもしれません。

 

4. Ingress

 

話題の陣取りゲームアプリ。未だに英語が読めないことを理由にルールがあやふやで超弱い私ですが…色々出かける気になります。引きこもりにはできないゲームです。

 

特に、知らないところで知らないバスに乗るとかなり楽しいですよ~! 新宿や池袋などの大きな街歩きも楽しいです(歩きスマホ、危険なのでそれだけ注意です)。移動すれば移動するほどポイントが貯まり、レベルアップします。現代版の「コロニーな生活」かもしれません。

 

ただし、これを始めると、スマホの電池切れが異常に早くなるので、優秀なモバイルバッテリーは必須ですよ! また、イヤフォンをしながらプレイすると、バツグンに爽快感が違います。日々の継続が大事なゲームです。

 

5. おしゃれ天気

 

天気を教えてくれつつ、オススメコーデが例としてイラストで出てくるアプリ。どのぐらい着込めばいいのか、参考になります。普通の天気アプリとしても使い勝手が良いです。ピンクでかわいい画面。

 

ただ、みんなスカートを履いていることが多くて、マニッシュ派・ボーイッシュ派女子(さらにもっと言えばLGBT)への配慮が足らないのかな…とも思いますが、まあアプリのコンセプト上しょうがないのかな。スカート履いてる人は寒いだろうなーと勝手に思ったりしてます…。

 

6. B612

 

LINEの出した「盛れまくる」自撮りアプリです。スゴいよほんとこれ!

 

http://instagram.com/p/wqkHPDFKiq/

#ニキビ できそう #selfie

 

基本頭おかしい私は、盛れるアプリであえて変顔しちゃったりしてますが…それでもだいぶ盛れます。変顔も盛れるのはスゴい。

 

7. MUJI to sleep

 

寝る前に、波の音などを聴くアプリ、たくさんこれまでにもありました。が、これは無印良品のもの。音も数種類から選べて、90分までタイマーで流すことができます。

 

イヤフォンで聞けばスヤスヤ。移動中の耳栓がわりにもなりますよね。なんといってもデザインが良くて使いやすい! 睡眠に問題を抱えている方も、全然眠れちゃう方にも、リラックスツールとしてオススメ。

 

8. 銭湯マップ

 

近くの銭湯がわかる上に、「スタンプラリー」機能もあります。銭湯の近くにいないと、スタンプ押せない仕組みです。

 

銭湯、いやあ、いいですよ。12月22日の冬至に、初めて自力で行ってゆず湯入ってきました。お風呂後のポカリが最高です! まさに「テルマエロマエ」の世界。いろんなお風呂がありました。

 

http://instagram.com/p/w6Ded9lKiq/

#冬至 #銭湯 #ゆず湯 からの #ポカリ

 

ぽかぽかあったまる銭湯ライフ、美容のためにもオススメです。自分の家のお風呂よりあったまるんですって。

 

9. 頭痛~る

 

気圧の上昇や下降を教えてくれるアプリ。頭痛持ちさんだけではなく、色々な疾患を抱えている方にオススメ。

 

「なんか今日調子悪いな…?」と思って開けたら、「爆弾低気圧!」って表示されていたり。お天気に結構影響されやすいなーって思ってる方にはぜひ入れておいていただきたいアプリです。

 

10. SNOOPYドロップス

 

スヌーピーたちがかわいいですよ。今、よくあるタイプの、色でまとめてドロップ消していくゲーム。

 

クリアすると、マップにウッドストックが現れることも。タップすると跳びはねてくれます。音楽もリラックス効果大です。クッキーをザクザク割りながらドロップを消す感覚が爽快。結構ハマるかもですよ。

 

実はFacebookとも連携できるので、ランキングも出てきます。外国製のこれ系とは違って「誰々さんからライフをもらったよ!」などの通知が今のところ来ていないのも、面倒でなくて好き。スヌーピーの哲学にも触れることができます。

 

…以上でした。他にも色々迷いましたが…幅広く紹介してみましたー! みなさま、楽しいスマホライフを☆

 

番外編:

 

・超見やすいTV番組表

 

実家へ帰省した際、チャンネル権争いにもなるはず。いちいち新聞見たり、テレビの中の番組表モードにするのはメンドくさいってあなたへ。こっそり手元に入れておいて、スマートにチャンネル奪っちゃいましょう。

 

・2048

 

無限にできる地味~なゲームです。でも、感触とか音とか操作性がよくって、オススメ。お正月はお布団でぬくぬく過ごしたい…そんな方は迷わずこちらをどーぞっ。

 

・Kuroneko Tarot

 

黒猫柄のタロットをひいて、今の悩みへの答えを導き出すことができるかも。イラスト、かわいいです。色々振り返ったり目標を立てる今だからこそ、オススメ。占い、気になりますよね、なんだかんだ。

 

NHKネットラジオ らじる☆らじる

 

帰省中にもしも災害があったら、NHKのラジオは生命線。もしもまだ入っていなかったら、年のために入れておきましょう。同じ理由で「Yahoo!JAPAN 防災速報」もオススメアプリです。

1年半の間で、13kg痩せました!

告白します。数年間、私、デブでした。148cmと、矢口真里と同じ身長なのに、四捨五入したら60kgになっちゃうとかおかしいです。

下は、現在の私。44.4kg。あとは42kgまで落とせたら、自分の中ではベストです。

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…で、次に、太っていた私。この頃は50〜52kgあったはず。

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42kgがずっとベスト体重だったので、10kg増はさすがにショックですよね。一番ヤバい記録は、57.1kg! どんだけだよ。

だいぶ、見た目が違ってきますよね〜。ちなみに…何もしてないです。えっ、何もしてないのかよ! 以上、何のためにもならない、ただの痩せた自慢したいだけの記事でした。

 

真面目なこと書くと、たぶんやりたい仕事ができてることが大きいんだと思います。あとは、お酒の量が減りました。それも仕事の話と繋がってるんですけど、ストレスで飲むことがあんまりないですね。居酒屋に行くことも減りました。ライフスタイルが変化したので、毒抜き的に痩せたみたいです。

太っていた頃は、毎日ウォーキングとかレコーディングとかそれなりにがんばってましたが、全然効果ありませんでした。「呪詛抜きダイエット」にも通じるものがあるかもしれませんね。

急激にデブりはじめたのは実は演奏家時代で、売れなかったのでなおさらツラかったです。何かのサインだったのかもしれませんね…。当時の写真のほうがもっと酷いので、ちょっと載せられないレベルです。

今の生活だと外食やインスタント中心ですが、一応…食にはなんとなくこだわるようにしています。運動はほとんどしていません。ただ、リュックが常に重いので、かなりそれが運動にはなっているかもなあ。2015年はもう少し体力つけたいなあ…今、色々と計画中なのでした。

ズボラ女子的!怒涛の2014年コスメ&スキンケア&ヘアケア商品ベストテン!

どうもーっ、ズボラ女子代表です。では、張り切って発表していきたいと思いまーす!


1. スイカ総合研究所 肌スイカ飲みローション

なんといってもコレ! ドンキで300円程度でした。それなのに500mlと大容量。冷蔵庫に入れておくと夏は気持ちいいですよ。量といい…ポカリか!飲むんかい!…ってなわけで、夏に買ったのに未だに半分以上残ってます。ポンプ式なのもズボラ女子にはお手軽で◎。

百均のスプレー容器に入れ替えて持ち運ぶと便利。お高いミストとか買う必要ゼロですよ。入れ替え作業もポンプだかららくちん。ハイパー不器用な私でもすぐにできます。

肌荒れしやすい家族も使用OKでした。私の故郷、茨城でたくさん生産されている、懐かしのスイカ。まさかそんなに「肌に良い」とうたわれているなんて。確かに、キュウリパックとか昔からありますし、同じ瓜ですもんね。

残念ながら、Amazonでは見つけられませんでしたッ…!! もしもお近くのドンキで見かけたら即買い推奨です。

シトルリンエキス西瓜(スイカ)糖販売 | スイカ総合研究所


2. キャンメイク クリアコートマスカラ

最近発売された透明マスカラ。画期的ですよね。「マスカラは女の命」とはいうものの、あの、朝の「なんか目の下に黒いの付いちゃったわ!落とすの嫌やわ〜」感が一切なし。透明なんでね、バレないっすわ。

キャンメイク クリアコートマスカラ01

結構、これ一本で(ビューラーなしでも)、マスカラ塗ってる感が出ます。ぶきっちょさんが今までトライできなかった下まつげも、これでやっと盛れます。

で、ですね…まつげを仕上げた直後は眉をとかして、眉毛をフィックスさせると一石二鳥。驚異の時短アイテムですわぁ〜。

 

3. キャンメイク イージー&ファストメイクジェル

化粧下地ですね。これも非常に良かったです。基本、ベターっと塗るものがかなり苦手な私…。これはジェル状なのでサラサラしていて、香りもハーブな感じで使いやすいです。朝の気分もさっぱり。特に夏にオススメかもです。

BAの友人によると、少しだけ下地が乾くのを待ってからファンデを塗ったほうがテカテカしにくいとか。しかし、まあこの下地の場合は、どうやってもオイリーすぎる仕上がりにはならなそうなので安心の一本。

 

4. キャンメイク デイ&ナイトリップセラム

はい、「どんだけキャンメイク好きなんだよ!」と、みなさんツッコミたいところでしょう。しかし、これが300円台はお買い得。今やリップクリームコーナーはスルーして、迷わずコレに一直線です。

キャンメイク デイ&ナイトリップセラム01

ベタつきすぎることなく、透明グロスの役割もリップケアの役割もしてくれる優れもの。変な匂いがしないのも好き。もちろんリピ買いしてます。

 

5. ヴァセリン

ドンキで、368gと大容量のものを大人買い。重いです、若干凶器です。唇や指先が荒れたら、少しファンヒーターの前なんかであっためたヴァセリンでマッサージ、気持ちいいですよ。

ヴァセリン オリジナル ピュアスキン ジェリー 368g

唇は、ラップパックとかよく言われますけども、唇用パックも売ってますけども…ヴァセリン厚塗りして塗っておくだけでかなりパックだと思うんですよね〜。これだけで相当、唇ケアできています。

「あっ唇の皮むけてきた! ヤバ〜い!」ってときは、オロナイン軟膏を薄塗りした上に、ヴァセリンを大量に厚塗りしてひたすら寝る。これで結構回復します。私の場合はね。

他にも、何にでも使える万能選手。もともと乾燥肌の家族のために買ったものでしたが…ひとり暮らしでも、意外と大きなサイズを持っていても重宝しますよ。「なんでも俺に任せろ!」的安心感はピカイチです。コスパももちろん◎。

 

6. レブロン カラーバースト バームステイン

はい、アレですよアレ、クレヨンリップ。いやー、流行りましたよねぇー。自分は雑誌の付録で最近やっとゲットして、いい感じのベージュが当たったので、いつもリュックに1本忍ばせています。

レブロン カラーバーストバームステイン045

たとえすっぴんでも、これさえあれば、メイクした感が少し出ます。スーッとするのも好きなので、口紅が苦手な私ですが、なんとか使い続けられそう。

もちろん、赤リップしたい人は赤を買えばOK。いろんな赤ありまっせー。発色良いですよね。そういえば最近赤リップしたくて、実験&研究のために百均で赤いクレヨンリップ、買いました。どうなることやら。メイクで変身、楽しみたいですよね(ズボラでも)。

7. ドットフリー リシリエンヌ オイルインバームクリーム

今、アットコスメで大人気のこのクリーム。結構濃いめのテクスチャーなので、化粧水にこれさえオンすれば安心して眠れます。アロマのいい香りも安眠効果あり。

ドットフリー リシリエンス オイルイン バームクリーム

ちなみに、ネットでまだまだ流行中の某クリームを顔に塗る美容法は、私はニキビが出てきてしまいました…。こっちのクリームは合ってるみたいです、たぶん。

 

8. ソフティモ スピーディ クレンジングローション

影の立役者、クレンジング。ズボラさんは、もちろんダブル洗顔なんて、疲れて帰ってきた後は無理無理。寒いですしね。…かといって、メイク落とさずに寝るなんてサイアク。翌朝、自己嫌悪に陥ります。

分厚めのクレンジングシートって定期的に買うと結構お高いですよね、結構。一枚一枚取り出す作業も、正直、ズボラ的にはかなーりメンドくさいです…。

ソフティモ スピーディ クレンジングローション 280mL

これを使うなら、家にコットンさえあれば準備完了。いや、ぶっちゃけティッシュでもいいと思いますよ…。嘘みたいにガンガン落ちます。肌荒れもなし。クレンジング後は化粧水、美容液、クリームでケアしています。

朝のメイクでマスカラ間違えて付けちゃったときも、ティッシュの端にこれを付けて拭けばリペア即完了。 超便利!

 

9. SPRジャパン Nadeshikoヘアトリートメントミルク

洗い流さなくてOKなトリートメントです。みんな欲しいですよね、こういう、寝る前に付ける的なやつ。ちなみにみんな大好きなノンシリコン。これもドンキで買ったのかなあ、安かった記憶あるよ。

ナデシコ Nadeshiko ヘアートリートメントミルク 120g [レディース]

で、オススメポイント。なんといっても香りです。「清楚で凛とした上品なフローラルブーケの香り」と書いてありますが、付けて寝ると数時間後から、繊細なお香のにおいに変化します。あ、ムスクとかココナッツとかじゃないよ、日本ならではの奥ゆかしいお香の香りね。いとをかし。

朝起きたときに、まるで平安時代のお姫様の気分を味わえるのでオススメです。いとあはれ。もっと評価されてもいいと思うんだけどなー。和の香りが好きな人は絶対買いですよ。 苦手な人は逆に買っちゃダメですよ。いとわろし。

 

10. ウテナ ゆず油

オイルのみで軽くヘアスタイリングが可能。他にも、マッサージやトリートメントにも使える万能選手。香りも爽やかです。

ゆず油 無添加ヘアオイル 60mL

ただ、使い続けると、瓶や置き場所の周りが、やはり多少はベタベタしてきてしまいます、注意。

 

…以上、独断と偏見でランキングお送りしましたぞっ。2015年もズボラ女子的ビューティーライフをご一緒できますように〜!

【詩】6次元でリーディング&現代詩手帖12月号にも名前が掲載されました!

詩を書く名前「秋野りょう」としての活動のご報告です。

 

【自殺予防のための合同詩集「生きぬくための詩」の交流会に参加。「6次元」でリーディングさせていただきました】

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すでに出版されている「生きぬくための詩」の中に書いた、友人の自死を悼む詩をリーディング(朗読)しました。詩人の方々もよく集まる、荻窪のブックカフェ「6次元」でこれができたこと、リーディングはまだまだ稚拙ですが、少しだけ弔いができたかな、と思っています。

また、他の詩を書く皆様とも交流できて、色々な刺激を受けました。若干スランプ気味だったのですが、これからさまざまなスタイルの詩に挑戦していこう、と思った一日でした。ポエトリーリーディングという新しい舞台のスタイルも知り、どんどんやってみたいと思っています。

リーディングしても結構ご好評いただいた、ありったけの思いを詰め込んだ詩が入っているこの詩集、まだまだ売っております。ぜひ、私の手元からお買い求めいただけると嬉しく思います。買い方は、以下のリンクからご参照ください。税抜1500円に、消費税とメール便代で送らせていただいております。あ、リンクを見なくても、moeno.k(at)gmail.comに「詩集くれー」とメールいただければ、送らせていただきます!


【詩集はじめました】自殺予防のための合同詩集「生きぬくための詩68人集」に参加しています - 日々、考える。日常。

 

現代詩手帖12月号で、宮尾節子さんからお褒めいただきました】

今年の現代詩の総決算でもある、思潮社現代詩手帖」12月号。

現代詩手帖 2014年 12月号 [雑誌]

 

こちら、なんと3千円の大ボリューム、超厚くて重い号で、自分は立ち読みしたものの貧乏でまだ買えていなくて申し訳ないのですが……その中で、詩人の宮尾節子さんに「生きぬくための詩」の中の詩を、「今年印象に残った詩」のひとつとして選んでいただきました。

11月号・12月号と2ヶ月連続で、天下の「現代詩手帖」に「秋野りょう」の名前が載ってしまい、夜中驚きのあまり飛び起きたぐらいです。母を電話で叩き起こして「これは紅白歌合戦初出場みたいなもんやで〜!」とワイワイ騒いでいました、夜中3時に。

私の詩を読んでくださり、書いた私以上に気持ちを理解してくださった宮尾さんに心から感謝します。これからも、「秋野りょう」としての現代詩においての活動を続けてゆきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 

ペンネームの由来について】

……追記で、「秋野りょう」よりも「川澄萌野」のほうがペンネームのようだ、と交流会で言っていただきましたが、川澄が本名です。母親も昔から詩を書くので、ちょっと変わった名前をつけちゃったんだと思います。新しく刷った「秋野りょう」名義の名刺をたくさんお渡しできたこともとても嬉しかったです。

「秋野りょう」の由来は、何度か書いているかもしれないのですが……

まず「りょう」は自死した友人の名前を音読みにしたりなんだりして決めました。その際に友人のお母様に電話をして許可もいただきました。「秋野」は父方の祖母の名前で、これはリアルに下の名前なんです。だから、私の名前にも「野」が付いているらしく。「萌乃」だったらAKBに入れたかもしれないんですが……(いやあ、多分色々と難しいですね!)。特に、父方の祖母に関してめちゃくちゃ思い入れがあるとかそういうわけではないんですが(優しい方でした)、苗字を考えたときにしっくりくるな、と思って「秋野」にしました。そんな感じです。結果的に、ありふれた感じの名前ではありますが、うまく中性的になりました。

本名で詩を書くことに特に抵抗はないのですが、例えば「川澄萌野」で検索したときに、仕事モードの「この冬はこれがテッパン☆モテコーデで決まりっ!」や「【食べ比べ】話題の新商品チョコの数々、並べて全部食べてみた!」と詩モードの「かなしみ それは どこからやってくるのか ああ ぼくは むこうがわにいった きみのことをおもう」のようなものが(全部、今適当に考えた例にすぎませんが……)両方ドバーッと出てきてしまうのは、ちょっと違うのかな、と。名前を切り替えてやっていきたいと思っています。「秋野りょう」は自殺予防詩集のために作った名前でしたが、これからもこれを使っていこうと思います。

ぜひぜひ、これからもたまに詩のイベントなどに出没できればと思っています。「秋野りょう」名刺、少し変わったデザインになっています。こちらも好評なので、ぜひもらっていただければと思います。

 

【詩人としてのTwitterについて】

たいへん申し訳ないお知らせです。現在私の本業はあくまでwebライターであり、Twitterは主に情報収集のために使っていることが多いのです。仕事モードと詩モードの自分はまったく切り離しているので、常時タイムラインに自動的に詩がたくさん流れてくる状態にカスタマイズするのも、少しだけ違うのかな、と思っています。

何より現在Twitterの仕様で、フォローできる人数が「2000人まで」となっているようでして……フォロー可能数が現在ギリギリなのです。お会いできた詩人の皆様、またフォローしてくださる詩人の皆様にもすべてフォローバックできず、たいへん申し訳なく思っております。どうか悪意はありませんので、お許しください。

「秋野りょう」Twitterアカウントを作ればよいのですが、それを管理する時間と余裕は、残念ながら今の私にはなく。もしその時間ができたならば、ひたすら詩のブログに実験作をストックしてゆくことに使ってゆきたいと思っています。冷たい対応になってしまいたいへん申し訳ありませんが、ご理解いただければ幸いです。メールアドレスも随時公開しておりますので、何かありましたらどうぞお気軽にご連絡ください。これからもどうぞよろしくお願いいたします。

【インタビュー】笠間市在住のファゴット奏者が回すエアろくろ……それは果たして笠間焼なのだろうか!?

音楽の都、ウィーンで長年修行を積んだ後に、ニューヨークに渡り、オーケストラの首席奏者として活躍してきた男がいる。ファゴット奏者の蛯澤亮(えびさわ・りょう)氏だ。

 

約2年前に地元である茨城県笠間市に華麗にUターンし、精力的に活動している。中心となるのは、なんともキャッチーな名前のコンサートシリーズ「えびコン」だ。「生のクラシックコンサートが少ない地域でも、身近に音楽に触れられる」と毎回好評のようすである。

 

今回は、12月13日・14日に迫った「えびコン vol.8 冬のおしゃべりコンサート」の直前に、意気込みをインタビューしてみた。

 

……なお、筆者が蛯澤氏と知り合ったのは15歳前後であるため、この文章は完全に幼なじみへのクリスマスプレゼントなのである。にじみ出てしまう内輪感をご容赦いただきたい。筆者のムチャぶりにも、どんどん応えてくれた蛯澤氏のユーモラスなキャラクターを、コンサート前にぜひ味わっていただければ幸いである。

 

【幼なじみとしての思い出を、さっそく内輪感たっぷりで語る2人】

 

― 久しぶりですよね~、こうやって真面目に話す感じは。まあ、夜中にLINEのスタンプで遊んだりしてますけどね(笑)

 

「初めて会ったときお互い10代だったもんね! 萌ちゃんは小さいのにマシンガントークで、変わったヤツだな~って(笑)」

 

― ハッ! 当時から私変人だったんだっ!(動揺を隠せない筆者)

 

「でもさ、オーボエは当時から上手だったよね、正直感心してた」

 

― いやいや、私はもう音楽はやめちゃったけどね~。でも、茨城のジュニアオケで一緒に吹いたのは、ホントに楽しい経験でした!

 

「茨城って吹奏楽は盛んだけど、実際小さな頃からオケできるって、あんまりなかったもんねぇ。特にあの頃はね」

 

― あの、ちょっと、お願いがあるんですけど……

 

「えっ何!? いきなり何?」

 

― 「エアろくろ」、回してもらえます? インタビュー記事によくあるんですよ、ろくろ回すポーズ。こんな感じで……(画像検索を見せながら)

 

「は? 俺が笠間在住だから? 特産品が『笠間焼』だから?(戸惑いながらポーズをとる)」

 

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― あっ、いい感じッス。IT業界でめっちゃ稼いでる人っぽい感じするわぁ~。

 

「例えがよくわからないけど……じゃ、真面目な話もしたいかなっ♪」

 

― どうぞっ! では、質問していきますねっ!

 

【世界で活躍できる実力があるのに、どうして茨城に戻ってきたのか?】

 

― ウィーンで大学院まで通って研究して、その後ニューヨークのオーケストラで首席奏者として働いて。まだまだ世界的に活躍できると思うんです。なんで突然茨城に戻ってきたんだろうって、ずっと不思議に思ってました。結構私ビックリしてたんですよ(笑)

 

「まあ当然のことなんだけど……国によって、コミュニケーションの仕方や歴史、文化は違うって肌で実感したのね。長年住んでるうちに、日本の良さがしみじみ分かってきたんだよね。で、自分のルーツである茨城や笠間を見直したんです。地元の方々に向けて演奏していきたい、楽しんでもらいたい、と思ったのがきっかけです」

 

― とってもポジティブなUターンだったんですね! 海外での活動で得た貴重な経験について、ぜひ教えてください。

 

「ウィーンには長く住んだからね、数え切れないほどの経験をしましたよ! 昔からの憧れだったウィーンフィルの方々と共演したり、厳しいレッスンで音楽のスタイルをいちから考え直したりね。師匠から頂いたのは『たくさんの引き出しを自分で作りなさい。モーツァルトを演奏するときには、頭の中でモーツァルトの引き出しをすぐに開けなさい。そのために、いつも準備していなさい』という言葉。さまざまなオペラを演奏することが多いウィーンならではの教訓だと思うんです」

 

― 引き出しって大事ですよね。作曲家によって演奏へのアプローチはまったく変わってきますし。あらゆる仕事にも通じる教訓だと思います。アメリカではどうでしたか?

 

「まずは雰囲気の違いかな。『おおっ! 新しい国なんだなー!』って。チェコからアメリカに渡ったドヴォルザークみたいな気分だったような気もするなあ、まさに『新世界』(笑) どこに行っても、星条旗がなびいていたのを覚えてます。カーネギーホールで演奏したときも、舞台の一角に星条旗が飾られてたぐらいなんだよ! ヨーロッパでも、あんなに国旗を飾っている風景は見たことがなかったな~」

 

― やっぱり新しい国だからこそ、民衆の気持ちも強いのかもしれませんね。それから茨城に戻ってきて、普段は何をして過ごしているんですか?

 

「実家の農業を手伝ったりとか、普通にしてる(笑) もちろん、演奏活動や、楽器の練習やリード作りの合間にだけどね。俺、音楽家っぽくないでしょ?」

 

― ほえー! そういえば稲刈りの写真とか結構アップしてますよね、超ナチュラルに(笑) 世間的には「音楽家=セレブ」って思われがちだけど、全然そんなことないんですよねー。その中でも、蛯澤さんのライフスタイルはとっても新しいと思います!

 

「でしょっ? じゃあ、そろそろ、演奏会の告知がしたいな~♪」

 

― あっ、すっかり忘れてました、すいません(テヘペロでごまかす筆者)。

 

【えびコンvol.8「冬のおしゃべりコンサート」への意気込み】

 

― 今回は、オーボエクラリネットファゴットという、管楽器3本のアンサンブル「トリオ・ダンシュ」での演奏会ですが、この編成ならではの魅力ってありますか?

 

「葦から作る『リード』を振動させて音を出す、ということが3つの楽器の共通項です。でも、それぞれ個性はまったく違って。オーボエは華やかでセクシー、クラリネットはユーモラスでかわいくて。……なんといっても、俺担当のファゴットは、素朴で包み込むような音が魅力! 客席を、優しすぎる俺の愛情で包んでみせるゼッ☆(ドヤ顔で)」

 

― は、はあ……イケメンだし、イケると思いますよ。が、がんばってください(白目で)。なんだかんだやっぱり、「俺が俺が!」というよりも、3つの楽器の個性的な音色がミックスされてくってとこが面白いんでしょうね。

 

「そうそう、個性のブレンドが楽しめるんです。今年の夏に仲良くなったばかりのメンバーなんだけど、気も合うしバランスがとれてますよ。オーボエの若木さんは紅一点で、とにかくキュート! 休憩時間には男2人で癒されちゃってます(笑) もちろん演奏の腕も確かで、音楽全体をリードしてくれるホントにありがたい存在です」

 

― おおっ、バンド内恋愛みたいで青春っぽいですねっ!

 

「練習後に毎回飲んでて、めちゃくちゃ楽しいんだよね~。クラリネットの本濱君はガチで『いいヤツ』! 気遣いができる男で、いつも笑わせてくれて。僕が一番年上なのに、2人に常にイジられてるってバランスなの(笑) でも、それが自然で居心地がいいなあって感じてます」

 

― へー、とってもフレンドリーな雰囲気なんですねえ。今回、コンサートのプログラム選びに工夫したことはありますか?

 

「やっぱり専門的に勉強してきたクラシックは、しっかりとお客様にお届けしたい。だけど、お客様の立場になって考えてみると、音楽でほっとリラックスしてほしいんです。今回は多彩なクラシックの合間に、日本ならではの曲を挟んで、楽しんでいただきたいと考えています」

 

― なるほど。海外生活が長いからこそ、日本の曲にかける想いもひとしおなんですね。

 

「お客様からはよく『ファゴットって、日本の曲に合う音色なんですね!』ってお褒めいただくんです。合間の『おしゃべり』も毎回ご好評いただいているんですよ。『この作曲家は、日本の歴史上の偉人と実は同い年だった!』とか、ウケるんだよね〜」

 

― おもしろそう! 日本史と比較することで、遠いヨーロッパがより身近に感じられますよね。

 

「これはホントに僕が伝えたいことでね。ウィーンでは、日本と違ってコンサートの『場』が堅苦しいものではないんです。お客様も、みんなとにかく喋る、喋る(笑) 休憩時間の終わりを告げるベルだって、何度も鳴らさないと、みんなロビーから戻ってこないんですよ。だってさ、食べて、飲んでるんだもん(笑)」

 

—  「立ち飲み屋かよっ!」 ってツッコミたくなりますね。めっちゃザワザワしてそう!

 

「あれはスゴいよ〜(笑) 一種のサロンみたいな空間なんだろうね。着飾ってコンサートに出かけるのも楽しみのひとつなんです。キッチリした服装で行かなきゃってことはなくって。女性はセクシーなドレスで来てたりしますよ、年齢問わずにねっ☆  男性も、とってもカラフルなジャケットやネクタイでおしゃれしてくるのが当たり前なんです」

 

— 叶姉妹林家ペーさんみたいなお客様もいるんでしょうか。それはちょっと、いろんな意味で見てみたいですね(笑) でも、本当はそうあるべきなんだと思います。出会いの場にもなりそうですし……日本人は世間体みたいなモノにとらわれすぎなのかもしれませんね。

 

「僕のコンサートでは、基本的にもっとリラックスしていただいてOKなんですよ。だって、『音楽=娯楽』だもん。そのために『おしゃべりコンサート』って形にしています。田舎でも、より身近に音楽を楽しんでいただける環境を、これからも作っていきたいんです」

 

— えびコンという「場」を茨城に創りだすことで、新しくて、しかも楽しい交流空間が生まれているのは、本当に素晴らしいことですね!

 

【コンサートと投票日がカブってしまった今回、蛯澤氏が語る日本の民主主義とは?】

 

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― 最近、ご自身のブログで「選挙の後はえびコンで!」ってPRされてましたよね。すごく良いこと言っているなあ、と思って。若者の投票率が低いことも問題視されている中で、日本の若者を見て感じることってありますか?

 

「歴史や宗教をしっかり知らないことかな。それだと、外国人と深く話せないから。日本人は無宗教だという意見も多いけど、神道と仏教、2つの宗教が生活にじっくりと根付いている。それは、日本の懐の深さだと思うんです」

 

― 初詣やクリスマス、そして冠婚葬祭……日本の宗教観ってカオス状態ですけど、歴史的な経緯があって、今こうなっていると。それを寛大に受け入れてきたことが、日本人だからこその良さだな、ってことに気づかれた、と。

 

「そうなんです。そんなことを色々学んだ上で、これからの日本を考えれば、自分の意見はおのずとできてくるはず。新聞やテレビ、誰かの言うことをうのみにしちゃう人って多いでしょ? 自分の芯を持つことが大事なんじゃないかな。普段からそんな姿勢で暮らしていれば、迷わず選挙にも行けますよね」

 

― 「自分の芯」、まさに私もいつも考えていることです。未来を考えていくことが重要ですよね、ウチらアラサーだけど、まだまだ若いんだし(笑)

 

「若い、若いよ〜、まだまだイケるって(笑) ……でね、『投票したい政治家がいない』『政治家のレベルが低い』なんて声も、僕は逆に良いことだと思っていて。そう感じたなら、ちゃんと意見を伝えて、選挙でしっかり審判を下せばいい。それが成熟した民主主義だと僕は思います。ヨーロッパで学んだ大事なことは『自分の意見をしっかり持ち、伝えること』。どうせ……って諦めてたり、政治家や官僚を恨んだりしたって、社会は変わらないんですから!」

 

― まさにその通りですね! まずは選挙に行かなければ、何も変わらない。社会に不満を持つ人こそ投票に行くべきなんですよね。

 

「自分の選挙区の候補者の考えを、事務所を訪ねたり、メールしたりして直接訊くこともできますしね」

 

― 特に今は、ネット選挙解禁になりましたし、政治家のSNSも重要なコミュニケーションツールですもんね。交流することが以前より簡単になってます。政治家って、けっして遠い存在じゃないんですよね。

 

「そうやって政治家にちゃんとモノを伝えて、集まった意見から、その政治家が考えるべき事柄だって増えていくと思います。若者が意見をして、何より選挙に行くことで、お年寄りだけでなく若者にも目が向けられるんですよね。自分たち世代のためにも、それから、次の世代に住みやすい日本を届けるためにも、選挙に行きたいですね!」

 

― で、投票の後は、もちろん「えびコン」でリラックス、と!

 

「その通り! 誰にでも楽しめるコンサートです。お気軽にぜひお越しください!」

 

【蛯澤氏、茨城への深すぎる愛情を語る。】

 

― 先日、「茨城県は魅力最下位」ってことで話題になりましたよね。私もめちゃくちゃアツい記事を書いちゃってましたが……地元、茨城に対する愛情を、ぜひお聞かせください。

 

「やっぱり、アピールが足らないと思いますね。みんな地元の良さを知らないから、誇りや愛着を持てない。茨城は古代から『常世の国』、つまり理想郷だと言われていました。僕自身も郷土史はまだまだ勉強中ですが、過去のえびコンでは『笠間の民話』と『常陸国風土記』の朗読に合わせて演奏したこともあります。反響はとても大きいですね。朗読と音楽のコラボレーションを通じて、日本語の美しさも改めて感じています」

 

― 茨城の歴史も、えびコンを通して広めているんですね! 私も趣味で現代詩を書いたり読んだりしますが、昔の和歌って響きも含めて美しいですもんね。

 

「四季折々を感じていく暮らしだって、やっぱり日本独特の良さですもんね。もちろん日本の自然も、後世に残していかなければならないものですよね。今回のコンサートの会場も自然豊かでね〜。写真、撮ってきましたよ! ぜひ見てください! 14日の会場となる『工芸の丘クラフトホール』ですっ」

 

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― おおっ、工芸の丘の写真ですね。最後の建物がクラフトホールか〜! アートな建物ですね! そして、夕焼けや、青空に月。遠くに広がる山並みのシルエット。茨城の自然はやっぱり良いなあ。

 

「でしょ? 冬には冬の良さがありますしね。ぜひ、風邪をひかれぬよう暖かい格好でいらしていただければと思います。出演者一同、心よりお待ちしております」

 

― ご成功お祈りしていますっ!

 

「ていうか、萌ちゃんも来ればいいのに。たまには帰ってきなよ、茨城!」

 

― いや、遠いよ! ……でも、このアツすぎるプロジェクト、いつか正式に何かで取材させていただきたいな、と心から思っています。今日は楽しいお話をありがとうございました。

 

「こちらこそ、ありがとうございました。ブログTwitterでも日々発信していますので、チェックしてくださると嬉しいです。これからも茨城で精一杯活動していくので、ぜひ応援してください!」

 

【アツいプロジェクト、えびコン!これからも茨城県民はぜひ応援してあげてほしい】

 

インタビューは以上である。やはり海外生活が長いからこそ、日本や地元への愛が深まったのだと感じた。私自身、数年前ウィーン滞在中に彼に街を案内してもらい、貴重な経験ができた。やはり「普段はあまり見えないけれど大切なもの」というのは、身の周りにたくさん転がっているのだ。

 

実力派でありながら、あえて茨城で演奏活動を続ける蛯澤氏にしかできない、芯のある演奏。ぜひ一度生で聴きに行っていただきたい。チケットのご予約は、蛯澤氏に電話かメールすれば完了である。ebifg(at)hotmail.co.jpまで、(at)をアットマークに変えて、ぜひお申し込みいただきたい。きっとろくろを回しながら予約を待っていてくれるはずだ。

 

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【関連動画】

追記として、茨城新聞に取材された際の動画をご紹介する。特に2:17からのお客様の素直な感想と笑顔には、きっと本人も喜んでいるだろう。これこそが彼のやりたいことなのだ、と、改めて心が動いた。

ぜひ、味わい深いファゴットの音色と、蛯澤氏による軽妙な「おしゃべり」をこの動画で堪能してから、来週末は投票の帰り道に、コンサートに出かけていただきたい。


市役所でプレコンサート 「かさま国際音楽アカデミー2014」PR - YouTube

 

(※以下は本当に野暮な追記になります)

ライター修行中の今年春頃、何かとエビちゃん(蛯澤氏)とはLINEで議論することが多かったです。特に、政治について。正直なところ、彼と私はだいぶ意見が違うのですが、日本においてのよりよい民主主義を望む点では、熱意が共通していることが今回改めてわかりました。思想がまったく違っても、人間的に信頼できる人と話し合ってみれば、新しい発見もありますよね。そんな友人を古くから持っていることは私の財産だと思います。

当時、「じゃあどんなライターになりたいの? 自分が今応援してる政治家をひたすら宣伝するライターになりたいの?」と訊かれ、「いや、それは多分違うかな……。例えば、エビちゃんがどんな思いで茨城に帰ってきたのか、そしてこれから何をしようとしているのか。そんなことを、私は書きたいと思う」と答えたのを覚えています。彼はそれを聞いて「いいね! ぜひ書いてほしい!」と言ってくれました。

だから、今回これを書けて、私は心から嬉しく思っています。

ダイエット&ファッションについて、ズボラ女子なりに人生ちょっとふりかえった

田房永子「呪詛抜きダイエット」を読んだ。結構Twitterで話題になっているな、と思ったので、買っておいて、マンガだからすぐ読めるな、と思ったのだが読んでいなかったのだ。

呪詛抜きダイエット

読後感は、なんとなく聞いていた感じとは、ちょっと違ったかな、という感想。結局「呪詛」とは何か、がスピーディーに一読しただけではわからなかった。それから少しスピリチュアル気味になっているシーンもあり、個人的には、ウーム……という感じではある。

こういう本は「読んで目からウロコが落ちました! 自分の人生に対しても考え、スッキリしました!」というのを期待して読むんだけど、これはちょっと期待して読むと、モヤモヤが残るかもしれない。

 

【私も写真が嫌いだ。いや、嫌いだった】

私は、写真に撮られるのがとても嫌いだった。去年ぐらい、いや、ライターの仕事を始めるまで、おそらく。今も苦手でないかというと嘘になるが、少しずつ変わってきている。

化粧も普段ほとんどしない。着る服も適当だ。けれどそれで納得している。最近は特にスキンケアには前よりも力を入れている。それは、やっぱり撮るときにきれいに写りたいからで……若いオシャレな女性はみんなInstagramで自撮りをアップするこの時代、そういう願望でみんながんばってるんだろう。ただ、そこに加われない、私みたいな髪ボサボサのズボラ女子もきっといるはずだ。「Instagramバッカじゃないの?」って顔しながら、ホントはちょっと興味あったりもする。

……まあ正直な話、私はInstagramは数ヶ月で飽きてしまって、自分で撮って自分で色を加工したほうが楽しい、あの「インスタっぽい」フィルターが苦手なんだよなー。ただ、今これだけ流行っているので、もっとガンガンおしゃれなアカウントを掘ればたくさん楽しいことが見つかると思う。

「いいね!」押すのも、Twitterでファボるのも、色々…根本的には「人が幸せでいてくれる様子を見るのが、ハッピーだ」という思いがある。友人か知らない人かに関係なく。知らない人も、結構ネットの友人になったりもするから、まあ友人か。友人ならなおハッピーではある。

 

【30を前にして激太りしたことがあった】

特に公開しても何もないので書くけど、私の身長は148cm(矢口真里と一緒です、彼女のほうがずっと細いはずだ)。高校時代から体重はずっと42〜43kgから変わらなかった。自然にしていてそうだった。太る人の気持ちがわからなかった。自己管理の問題だ、なんて厳しいスタンスになっちゃうこともあった。それは、音楽家って特に健康管理が必要とされる職業で、自己責任論がものすごい。これを語ると長くなるけど。

いつのまにか、28か29ぐらいで、体重計が家にない生活を送っていたら激太りしていた。太っていてそれを既にキャラにしている方と会話していて、「あー、それデブあるあるだよ! デブだからそうなるんだよ!」と言われ、「あ! 私、デブなんだ! もうデブカテゴリなんだ!」と、実はショックを受けたこともある。顔はブクブクにむくんでいて、見たくなかったなあ、鏡。

そのときは……おそらく50kg台後半までいったのではないかな。

……あっ、今、アプリの記録に残っていた。なんと、2013年1月20日、57.0kgだった! いやあ〜。っていうか、去年だったんだ。MAX数値は57.7kgだった。ビックリである。わかりづらいかもしれないけど、だって150cmないんだよ? そりゃデブだよね〜。

その夏は色々、FYTTEとか買って、食べたものレコーディングしたりしたなあ。夜にウォーキングしたり。

今は……また体重計に乗らない生活しちゃってるんだけど(部屋が汚すぎて体重計に乗る踏み場が存在していない)、こないだ量ったら46kgぐらいだった。あ、31歳です。だいぶ、基本の体型に戻った。特に何にも努力してないけど。

あ、そうか。最近、去年買ったズボン履くと、ただただずり落ちてお腹が冷えるという現象が起こっているんだけど、そんなにデブだったらそりゃそうなるわ。もう、太すぎるズボンは捨てよう。ダイエット食品の広告みたいに。

当時はパンツ(下着)も全部、ユニクロのボクサーパンツだった。あれはあれで好きなんだけど、洗濯するとすぐ伸びる。お腹を冷やさないだろうから健康的だろうけど。

上に着てるのも、カップ付きキャミソールだった。それは痩せてた時代&楽器を吹いている時代にヨガにハマったりなんだりして、締め付けは良くない、呼吸をちゃんとしたい、ってことでそうなってたんだけども。楽器はやめたし、ただの惰性になってた。もちろんカップ付きキャミも、全然アリだとは思う、ラクだし。でもやっぱりシルエットが違っちゃうんだよなー。

今は一応上下セットの下着にしている。まあ、しまむらとか中野ブロードウェイで買ってますけどね! それでも、気分は結構違うものだ。あ、しまむらの、ワイヤーがないブラを愛用しています。痛くならないので良いです。私の下着事情どうでもいいのにすいません。また、しまむら行かねば。

 

【化粧しなよ、と言われながらもずっと化粧しなかった化粧事情】

やっぱり、楽器やってると舞台に出る人間だし見た目が大事なので(あとは女性は普段からキレイにしていたほうが、普段出歩いてて営業の効果がまったく違う……という避けようがない業界の事実があるのであった、おそらく)、化粧しろ化粧しろ、とはさんざん口をすっぱくして言われたけど、ガンとして普段すっぴんだった。さすがに日焼け止めはがんばって塗るときもあった。うーん、やっぱ頭おかしいのかなー。

ただもちろん舞台では化粧していました。だから、私の化粧ポーチの中にはKATEのやたらギラギラしたアイシャドウなんかが捨てられずにたくさんある。それはあくまで舞台用で。いつ使うか……たぶんもう使わないかもしれないなあ。

あとはドレスも着るしね。それで日常と非日常のメリハリ付ければええやん、と思っていました。ちなみに、それなりに何回も何回もドレスを着たし、美容室で髪をアップにしてもらったし、メイクもたくさんしたから、特に昔から結婚式というものに憧れはあんまりない……これは意地を張っているだけだろ、って言われたらちょっと自信ないんだけど、やっぱあの、よくある感動的な演出とか、やっぱ趣味じゃない。一番好きな結婚式は映画「クロエ」の中で、カジュアルなバーか何かで祝われているところだ。ともさかりえの出てるちょっと古くて、結構誰も知らない地味な映画。あの映画、すごく好きなのです。うーん、きっと結婚しないだろうなあ、私。

 

【弟と男友達の「最近変わったね」という言葉】

今年の春頃は特に引きこもっていて(いつも引きこもっているのだが、さらに)、化粧なんてどうでもよかった(今もまあちょっとどうでもよいところもあるのだが、さらに!)。そのときはただただ自分なんていなくなればよいと思っていたから、廃人度が今とはケタ外れに違う。

弟に会ったら、即「姉ちゃんそれはヤバい! なんかやりな!」と言ってくれて、ドラッグストアで一緒にいい香りのシャンプーや、トリートメントなどを買った記憶がある。弟は熱心にすべてのテスターをクンクン嗅いで男目線でコメントしていた。なんだかんだ優しいのである。レヴールの紫を使っているので、ちょっとまあ匂いはキツいんだけど、なんだかんだ私は気に入っているなあ。

そんな感じで少しずつ化粧して外に出るようにしたら、男友達と飲みに会ったとき「最近変わったね!」と言われて、実はとても嬉しかった。

その少し前あたりかな。結構本格的なデートの誘いがあって、「どうしようどうしよう……」ってワタワタしながら美意識の高い女友達にLINEしたところ、「うちに来なよ! 全部メイクしてあげるから!」と言ってくれて、めちゃくちゃ気合いを入れて、長時間かけてメイクしてもらった。当時の写真を今見ると、やっぱりデブなので今見たくないんだけども…。そしてそのデートの相手とは別に成就していないし、今はデートするって言われてもデート自体がテキトーだし余裕ですっぴんで出かけるから、やっぱ性格的にはダメ人間なんだと思う。

だから、今は多分また廃人系に戻ってるよ、と、弟と男友達には言いたい。ただし、人に会ったりはするので、そのときは最低限の清潔感は保てるようには一応がんばってはいる(こんなこと言って鼻毛出てたりしたら申し訳ないですが)。

 

【「ゆるふわモテ」の見出しを憎んだ私はフェミニストなのだろうか】

コンビニで雑誌の見出しを見るのが好きだ。今は特に意識してやるようにしているが、昔から好きなのだ。OliveやmcSisterを読んで育ったから、「自分のためのおしゃれ」が当然だった。いつのまにか雑誌の見出しには「モテ」が氾濫し、私は20代前半ぐらいからそういうのを一切忌避していた。

ぶっちゃけると、特に困ってなかったんですよ、そう言われなくても。めっちゃ大多数にモテるというわけではもちろん全然ないんだけど、たまにコアな人がいるんです。それは結構絶えないもんだったんですよ、その頃はね。

だから、なんだろう、買ってたのは「Soup」や「JILLE」(悲しいことに廃刊されてしまった)かな…あと、もう読者が結婚してたりする「InRed」もすごくよく買っていましたね。30代のステキな女性への憧れがあった。付録がたくさん家にあるなあ。

今、やっぱり「そんなにがんばって、一体誰にモテたいの?」と思う。婚活とかもそうだと思う。自分のためにおしゃれすればいいじゃない、自分が好きな自分でいればいいじゃない、そしてそれを気に入った自分の愛する人にモテればいいじゃない。男のためにファッションを変えるなんてことは私はまっぴらごめんだ。……そういうのが、モテないし、意地っ張りで、負けず嫌いだ。

ただ、今色々な雑誌を勉強がてら読むのだが、やはり良いな、と思う雑誌は心からファッションを楽しんでいる。好きな自分になろうとしている。きっとInstagramに投稿する女子たちもそんな気持ちなんだと思う。なんかそういうので、世間から焦らされることなく、楽しく生活をエンジョイしていけばいいんじゃないかな、と思う。

別に男を切らしたいわけでもないし、まあ率直に言えばコアな人に向けて恒常的にモテてたらそれはそれで便利だし(ただストーカータイプの人種に目をつけられるのは純粋にほんとうに怖い)……男は嫌いじゃない、ワケわかんないこと言うホントにミソジニーの男じゃなければ。それに、そういう男性に噛み付いても理解は永遠にできないだろうから、私はそういう意味ではバリバリのフェミニストではないのだろう。

ただ、もしコアな人に出会ったそのときに、私のことを人間として見てほしいのだ。よくあるモテファッションには、そういう観点が不足しているように思う。結局ヤれそうだから、この女を連れて街を歩きたいから、ってなるもんね。まあ、女側もそういうのはあるんだけどさあ……。

 

【スカートは履かないけれども、別に性別に違和感を感じているわけではない】

私は今、スカートはほとんど履かない。寒いのと、めんどくさいのと、履く習慣がほとんどなく育ったからだ。

昔の恋人は「萌野もたまには、ステキな格好をしたらどうかなあ? 僕はいいと思うんだけどなあ」とソフトに言っていた。多分、お嬢様ワンピを着た私を連れ回す経験もしてみたかったのかもしれない、今なら「やってみた」でいくらでもやるけど……そうだったら、申し訳なくは思う、いや、そんなに思わない。彼は「萌野にも美味しいコーヒーを飲ませてあげたいんだ」「萌野にもこんな味があるって知ってほしいんだ」といつも言っていたけど、まあ上からだな、と今にして思う。共依存だった。私は美味しいものは自分で発掘する。お前が知っているものを押し付けないでくれ、こっちが無知な人間だという前提で話さないでくれ、と今なら言うと思う。

母親に「こんなスカート持ってるならたまにはキレイな格好をすればいいのに」と言われたりする。しかし幼い頃、母は自分がいかにジーンズが好きか、私に話してきた。私は、割といい子だったから、ある日「お母さん、私は紺が好き!」と言った。それからは私の元には紺色の地味な服ばかりが多くなった。もちろんもっともっと小さな頃にはとてもかわいい赤いギンガムチェックなんかのワンピースを着せられたりしていた、それには感謝している。母親は「押しつけるようなことは一切していない」と今も言う。けれども、そここそが問題なのだ。私が長女だから。私があまりに「いい子」を演じていたから。演じねばならない環境でもあったから。

今でも、FOREVER21にハマっていた時代、つい安いから買ってしまった、あの独特な変な色の服が家にはたくさんあるけど、母親はそれを見つけると「またこんな派手な色の服買って……」と言う。派手な下着なんか見つかったら大変である。

だから……なんというか、別に母のせいではないんだけど、そんな感じでずーっとジーンズ履いてたら、ジーンズでもういいんだよなあ。制服ではさすがにスカートだったけれど、今、女子生徒もパンツ姿なのをたまに街で見る。金八先生に出てきた上戸彩みたいにはこだわらないけど、今パンツがあったら選んでいるかもしれないな、だって寒いもん。

高校時代、みんながルーズソックスに放課後履き替えたり、寒いけれどもハイソックスで頑張る中、黒タイツをガンガン履いていた。プリーツスカートに黒タイツかわいいと思うんだ。何より、寒いからね! それに、赤いスニーカー。あんまりいなかったな、そんな人。友達いなかったし。当時は、それはそれでかわいいと信じてやってた。別にモテたくてやっているわけでもなかった。そうだ、当時私はオリーブ少女であった。

あ、別に母の話をしたいわけではなかった。えーと、ただ毒親問題については引き続きキャッチしていきたいと思っています。賛否両論あるけど、多分多くの人が悩んでいると思うから。

で、別に女性的な服を普段着ていることはないけれども、特に自分の性別に違和感があるわけでも、LGBTなわけでもない。かわいい雑貨を見るのも結構好きだ。そんな人もいるよって思うよ。性的マイノリティも含めて、もっと性差別のない社会が早く到来することをいつも心から願っている。

もしも、もしもね、「呪詛抜きダイエット」の中で田房さんが試したように、昔の自分に「いいんだよ、ピンクとか着ていいんだよ。優等生していて、辛かったねえ……」なんて話しかけたら、いきなり私は明日超ギャルな格好をしはじめるかもしれない。たぶん、まあ、しないと思うけどね。

やっぱりボーダーが好きなのかなあ。オリーブ少女だけにね。ボーダーにジーンズで、コンバースとか履いちゃって。でも、今それやると、生活感のある主婦みたいでダサくなっちゃうんだけどね。ボーダーのアイテムも選ばないとなかなかおしゃれに見えないんだよね。

お世話になっている美容師さんが「川澄さんはそのままでいいんですよ」と言ってくださる。あ、女性である。そのままが共感を呼ぶのだと、私の書く記事もよく読んでくださっていて、それにはとても感謝している。もうちょっとなんかおしゃれっぽく、かつそこそこ目立つ髪型にしたいから、髪の毛もうすぐ伸びちゃうだろうし雑誌読んで考えようっと。

 

【今後のダイエットの抱負】

とりあえず、あんまり太りたくないなあ。記事に自分の顔出したときに「なんだよこのデブ!」って言われたらやだなーと思う。正直、最初の頃に顔出し記事が出たときに「なんだよこのブス! デブ!」って言われたらどうしよう……ってホントはすごく怖かった。なんだろう、共感を持っていただける感じにしていかなきゃなーと思う。

だから、外食中心だけど、野菜を必ず摂るようにはしている。毎食じゃなくて「月曜から水曜までなんか肉多かったなー、あ、木曜の今日は、じゃあ野菜たっぷりサラダうどんを頼もう!」みたいな感じで。

運動はあんまりしてない、これは問題だ。もっとIngressしないと。

あとは、食欲がなくて普通に断食していることがある。これは健康のためというか、普通に食べられなくてそうなっちゃってる。それで痩せることもあるんだけど、まあそうじゃないほうがいい気がする。食欲ないときも、無理してでも食べないとがんばれないときもある。食欲ないとき、食べたくないもの異常に多いんだよね……基本的に好き嫌いはほとんどないんだけどね。

そんな感じで、食欲ないからのど飴かじってたけど、明日はちゃんと食べようかな、と思いました。おわり。

舞台への渇望、新宿の地下、冬のラーメン、舞台の明るすぎる光について。

話題になっているのは知っていて、読まなければ読まなければ、とずっと思っていた。ついつい枕元に積んだまま読んでいない本を今日やっと読むことができた。松本ハウス統合失調症がやってきた」だ。

統合失調症がやってきた

私の場合、実は異常にお笑いが好きなのだが……いったいいつからなのかというと、ボキャブラ天国時代までさかのぼるのだった。それから、オンエアバトルを見ていた。ネタ番組がほとんどなくなってしまった今、当時のブームがとても懐かしく思える。

コンビの二人の生い立ちについても、それぞれが語る形式だ。特に統合失調症の当事者であるハウス加賀谷(芸人さんについて語るときは結構「さん」を付けるのがどうもルールっぽいんだけど、なんか今日「さん」付けちゃうと色々おかしくなるので敬称略したほうがいいのかな、と思っています、すいません)の生い立ちは壮絶だった。

昨今のブームだと「毒親」とも言われてしまうだろう加賀谷の母親の性格、そして発症してからの愛情が痛々しく、とても身近なものとして理解できた。

相方である松本キックが黙って見守り続け、コンビ「松本ハウス」が復活するシーンは感動的だ。この本はとても自分にとっては「あるある」が多く、読みながら何度か自然と涙がこぼれた。

私自身のことを話すと音楽を学んでいた時代に、一度おかしくなって楽器が吹けなくなっている(統合失調症ではないので、幻聴や幻覚はなかったのだが)。自分の体の外に、突然透明な膜が現れた。視力や聴力が一段階おかしくなったんじゃないだろうか、今日はメガネを忘れたからこんなに世界の見え方がおかしいのかな、と思った。自分が出した音を身体にフィードバックさせて音楽を変えていく、あるいは保っていくことはとても重要なことだ。自分がどんな音を出したのか、その場ですぐにわからないのは、まるで音も字幕もない難解な映画を観ているようで、非常に辛かった。その症状は一年弱に渡って続くのだが……(このような症状は離人症あるいは解離性障害と呼ばれることが多いようだが、私の正式な病名はそれではないようだ。今ここで明らかにすべきことでもないとは考えている)。

思い出すことがいくつかある。診断されてから、いくつかの舞台を下りた(それはとても大きなことで、当時は絶望的に思えた……)。ただし、仕事ではない、サークルの演奏旅行については、強行することになった。そこでは、自分のソロ部分が非常に長い曲を演奏する必要があったのだが、リハーサル時、まったくうまくいっているのかどうかもわからずパニックになっていた。冷静に私をなだめて、外でコーヒーを飲みながら、MDプレイヤーに録った音を聴かせて「ちゃんと吹けてるよ、大丈夫だよ」と落ち着かせてくれた先輩のことは一生忘れないと思う。その後も寝込んでいた一年間、演奏を共にすることも稀にあったが、彼は私のことを素直に褒めてくれたし、適切な言葉をかけ続けてくれた。今でも私は彼に会うと泣き出してしまうし、抱き合ってしまう。それはまったく男女の仲ではなくて「戦友」に近いものを感じている(コンビのことも「戦友」だとこの本では言っていて、その感じはとてもよくわかるのだ)。彼と並んで演奏していた時間が特に長いことは、私の人生にとってとても貴重だったと思う。

「もう演奏はできないんじゃないか、しかし何をすればいいのか、何もできない」という、寝たきり状態にあった。新聞も雑誌も読めなかった。文字はポロポロと上滑りして、古代の石碑を眺めているようだった。ありとあらゆる音が恐怖で、耳栓は手放せなかった。一番最初に読めた本は、手塚治虫ブラックジャック、続いては、ノルウェイの森である。それまで読んだ小説の中で最も病んでいたのではないか、と思われる登場人物、直子の心理を知ることで何かわかるのではないか、と思ったのだ。

そんな中で、楽器の師匠(音楽をやる上で師弟関係は非常に重要で、私は学校の先生のことも正直「先生」として思い出したことはあまりないが、師匠のことは14歳から知っているし、生涯ずっと「師匠」だと思う)の家を訪ねたときに、「音楽は一生やっていけるものだから、今やめるとかやめないとか決めなくてもよい」というようなことを(もっと的確にどこかに書き残した気がするんだけどな……)言っていただいた気がする。

現在、またもや私は楽器が吹けない(これは、前回とはまた違うのだ。色々と感覚が衰えていて、その範囲を超えてキープするために鍛える努力はもはやできない、とある日悟った。だから、「吹かない」という決断をした……しかしこれは私の逃げでもある。一流の方々は毎日そのために訓練されているのだから。けれども、私はあくまで三流以下だった。ずっと食べられない状態が続いていて、これで食べようともう努力し続けなくてもよい、と決めたら、肩の荷が下りて楽になったのは、事実なのだった)。しかし師の背中はいつも前に存在し、趣味の多さや仕事に関する姿勢など、見習うべき点が山ほどある。だから、まあ生きていればいつかまた吹けるだろう、とも思う。別にそれはプロとしてではなくても。今、それをするのはとても重すぎるし、他にすべきことがある。あまり理解されないのだが……音大卒という経歴がありながら、人前で下手な音を出すということは、とても怖いのだ。恐ろしいことなのだ。けれど黙って見守ってくださる方がいるのは、私にとってとても貴重なことだ。まさにハウス加賀谷における、松本キック的な存在なのではないかと思う。

一年の療養生活を終えたとき、もう一度東京に部屋を借りることになった。恐らく新居を決めたときに、一番近くのラーメン屋でラーメンを啜った。ラーメン屋は、立ち飲み屋みたいに壁がなくって、半分外にいるみたいだった。まだ寒さの残る時期だった。現在そのテナントには別のラーメン屋が入っていて、頑丈な壁ができて、全く違う味のラーメンが提供されている。今日ちょうどそこでつけ麺を食べて、顔なじみの店員のお兄さんと会話をして、ふと、昔ここで寒い中啜ったんだよなあ、と思い出した。それをお兄さんに言ってもきっと仕方ないし、困らせてしまうことだから言わなかったけれど。

あのとき。東京に戻ったとき、ひとりで暮らすのは不安だからと、同じく療養生活から戻ることにした友人と一緒に住むことにした。同居生活のきっかけになった漫画があったのだが、それもこの前最終巻が出てしまって、いつのまにか私たちの時代は終わっていた。……それはもちろん、終わってよかったものなのだ。人生はどんどん進んでゆく。ぐるぐると回す万華鏡のように変化する(そうして、私たちは一歩一歩死に近づいている……ハルキ風に言うならば、だが)。

ハウス加賀谷は舞台の上でこそ輝くのだ。だから戻ってきた。私も、一度は舞台から下りたが、結局はアウトプットしていかないと生きられないと気づいてしまった。だから、手探りをしながらも今、こんな感じで暮らしている。そんなに悪くない。特に、詩には根性を入れて書くようにしている、と思う(詩のブログは覇気がないんだけども……特に発表するときについては)。

松本ハウス」が舞台に復活するとき。(ネタバレになるのであまり細かく書いてはいけないと思うけれども)新宿歌舞伎町地下のロフトプラスワンの、リリー・フランキーのカラフルなイラストが描いてある舞台へ、ロフト上の楽屋から勢いよく現れたのだろう。あの、歌舞伎町の夜ぜんたいを照らすようなギラギラしたライトがカラフルに点滅したのだろう。その光景が鮮明に浮かんで、ただただ、泣けた。光の下で、汗だくでコミカルな動きをするハウス加賀谷。どっと沸く客席。そして、サポートしながらも高いテンションでツッコミまくる松本キック。それは歓びに満ちた舞台だったにちがいない。

療養から戻った後、舞台に立てて楽しかったなあ。そんな気持ちを久しぶりに、リアルに思い出すことができた。きっと今夜の夢に出てしまうだろう、私はすぐ影響されて夢に見てしまうのだ。私はピアニストではないから、舞台はひとりではあまり作ることができない。共演してくれたピアニストがいつも、あのジリジリ熱い照明の下で情熱的に私のことを盛り上げて、音をもって奮い立たせてくれた。私は彼女と過ごすその時間が、とても好きだった。舞台袖から、明るい舞台へと分厚い扉が開かれる直前に、いつも彼女と必ず握手をしてから、とびきりの笑顔で出ていったのだ。漫才はやったことはないけれども、きっと漫才と似ているのかもしれないな、と思う。

最終的に結局やめるならば、あのとき、楽器をやめてもよかったのではないか、と言う人も、もしかしたらいるかもしれない。けれども戻らなければ得られないこともたくさんあった。出会えなかった人々もたくさんいた(あれから再会した友人は私を励まし、適度な距離を置きながら見守り、いつのまにか私の知らないところで死を選んでいた。人生において無理のない距離を置きながらも音楽と共に生きることを、その友人から学んだと思う)。

何より、何もできなかった期間に私がどれだけあの舞台の光を渇望していたか。その頃私は宗教音楽のサークルのためにできるだけ良い演奏をしたくて、たまに教会に通って勉強をして、聖書から多くの影響を受けていた。「光」という言葉は私にとって大きなキーワードだったのだ。だからこそ、もう一度味わえてよかった。ハウス加賀谷松本キックに「もう一度、一緒にやりたい」となかなか言い出せなかった気持ちも痛いほどわかった。

体を壊しながらもコンテストの舞台でストックした芸を披露し、その後もいつも頑張っているなあ、と様子を見ている若手芸人がいる。「私も舞台にいたのですが」と私がポツリポツリと喋り出す機会があったときに「それは僕よりもずっと大変だったでしょう!」と即座に強く、彼は言った。けっしてどちらが偉いというわけではなく、どちらの芸が上品だ下品だというわけではなく、芸事に関してストイックだからこそ、人に対して思いやりが持てるのだと思うのだ。その心の広さは多分、人よりも売れない期間が長くて苦労しているからなのかな、と下世話にも感じることもあるが……たまにテレビに出ているのを見ると、とても嬉しい。まるで親戚のようにテレビにかじりついてしまう。けれども、何よりも健康であってほしいと心から願っている(それを思えば……私もおそらく健康であったほうがよい。もちろん)。

最後に、ハウス加賀谷が舞台に戻るために自律した様子を見て、もっと見習わねばならない、と思った。今まさに、自分はとても弛んでいた。まあ、何をやってもダメなときはダメなんだけど。今、これを読み終えて、「バリバラ」などに出演している彼らの姿を思い出して、納得することができる。月並みな言葉になってしまうが、精神障害に関する理解が広まることを願うし、そのために奮闘している彼らを本当に尊敬する。

ちなみに、今日読んでいたショッキングなコラムはこちらだった。うすうす、そんな気がしていたけれども、実態を突きつけられてしまうとどうしようもなかった。


精神科病院のインチキ「退院」・患者さんのインチキ「地域生活」は高くつきますが、いいんですか?(みわよしこ) - 個人 - Yahoo!ニュース

精神科医として働く友人と時たま連絡をとることがある。まったく主治医と患者の関係ではないから、彼は私の健康状態については何も触れない。そのことで、私は、何をもって良い医者と判断すべきなのか、なんとなくわかる気がして、とても助かっている。

メンタルヘルスに問題を抱える人が増える中で、いわゆる「ニセ科学」ではない適切な情報を発信していくことが大事だと考える。私は医師ではないから何が本物かなど、勘でしかわからない。わかった気になっているだけだ。そのためにも私自身、必要なことは学習し、努力していかねばならない。「やらねば」という、この「must」を付ける思考があまり良くないのはわかっているのだが、そのあたりに関する根本的な思想はあまり変化しないのではないかと思う。